自動修復でPCを修復できませんでしたの原因

自動修復はWindows11に起動トラブルが起きると自動的に始まるメンテナンス機能です。通常は、自動修復を準備していますなんて見たことないメッセージが表示されているけど大丈夫かな?とネットで調べてるうちに(10分もあれば)作業が完了し、再起動すれば何事もなかったかのようにデスクトップまでWindowsがきちんと起動します。
ところが、このトラブルは自動修復が無事完了し、自動修復でPCを修復できませんでした画面が表示されるものの再起動してもWindows11が起動しません。その原因は3つあり、パソコン部品のエラー、自動修復プログラムのエラー、自動修復の対象外のエラーがあります。
- パソコン部品のエラー
- 自動修復プログラムのエラー
- 自動修復の対象外のエラー
パソコン部品のエラー
パソコン部品のエラーには、パソコンを再起動するだけで解決できる誤作動というトラブルがあります。もしパソコン部品が誤作動していれば、プログラムは正常に動作できないため、自動修復でWindows11の起動エラーが直らない現象につながります。例外としましては、10年など長くお使いのパソコンでしたら部品故障の可能性も出てきます。パソコン部品が故障していますと自動修復プログラムは正常に動作できません。
解決策は、放電などのパソコン部品のリセットで誤作動をなくします。万が一、部品故障の場合は交換修理で直します。
自動修復プログラムのエラー
Windows11起動トラブルの影響で、自動修復プログラムにも同時にエラーが起きてしまうトラブルもあります。このようなメンテナンスプログラムにもエラーが起きている現象はWindows7のときから珍しくなく、当社の実績ブログ では回復ドライブや回復ディスクといったUSB(DVD)版の自動修復プログラムで簡単に直ったケースもご紹介しております。
解決策は、回復ドライブを使ったメンテナンスです。
自動修復の対象外のエラー
自動修復には守備範囲と言いましょうか、メンテナンスの作業範囲があるため、トラブルを起こしている原因が作業対象外でしたら直すことはできません。たとえば、Windows Update で起きたWindows11起動トラブルは、自動修復では直せません。
解決策は、システムの復元などの自動修復以外のメンテナンスを行って、Windows起動トラブルを直していきます。
自動修復でPCを修復できませんでしたで起動しないときの修復方法
この作業の概要について
自動修復後もWindows11が起動しない原因としまして、パソコン部品のエラー、自動修復プログラムのエラー、自動修復の対象外のエラーがあります。そしてこれらのエラーを切り分けながら修復していく作業になります。
レベル1:Windowsが正しく読み込まれませんでした画面が表示される起動トラブルの対処法
ここまで読まれて、難易度が高そうと感じる方にご提案です。リンク先の記事は、このページよりも簡単な対処法をレポートしております。
たとえば、Windowsメンテナンスの知識がなくても、いますぐに試せるような、手軽で安全なおススメの対処法はないですか?というご質問も多くあります。
手軽で安全という根拠も書いておりまして理論的な部分もありますが、”いますぐに試せる”手順を画像付きでレポートしております。パソコンが苦手という方もぜひこちらの記事をご確認ください。
具体的には、まずはパソコン部品のリセットから順に行ってください。パソコン部品にエラーがある場合はソフトウェアが正常に動かないためメンテナンスできません。放電などのパソコン部品のリセットを行ってエラーを解消しておく必要があります。
放電が完了しましたら、回復ドライブでメンテナンスしてください。自動修復プログラムにエラーが起きている可能性もありまして、回復ドライブでしたら間違いなくメンテナンスできます。回復ドライブは正常に動作するパソコンで作りますので、エラーは起きていません。回復ドライブで起動しましたら、スタートアップ修復をお試しください。これで改善しない場合は、自動修復の対象外のエラーのため、コマンドプロンプト、更新プログラムのアンインストール、システムの復元の順でお試しください。
こちらは注意点です。パソコン部品の故障の可能性もあります。データが重要な場合は長時間の作業で悪化してしまう可能性もあります。悪化しますとデータが壊れてしまうこともあり、無理な作業にならないようご注意ください。念のため、データが重要な場合の作業時間の目安もレポートします。
それではWindows11の起動トラブルを回復ドライブで修復しましょう。すべての作業時間目安は6時間(通常は2時間以内)です。
- パソコン部品をリセットしてください。
- BitLocker回復キーを入手してください。
- 回復ドライブを作ってください。
- 回復ドライブから起動してください。
- 回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
- 回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
- 回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。
- 回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
パソコン部品をリセットしてください。

パソコンを放電して、一時的なエラーや誤作動のない状態にリセットしてください。
Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、パソコンが到着したらトラブルが起きていないというケースが多い月ですと5%もあります。ちなみに、Windowsはメンテナンスしないとトラブルが直りませんし、パソコン部品の故障なら交換が必要です。当社への移動だけで症状が改善していることから、放電だけで解決するような一時的なエラーや誤作動は一定数あると言えます。
一般論としまして、コンセントとバッテリー(ノートパソコン)を外すだけも放電作業になります。ただそれだけでは、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。
リンク先のページでは完全な放電をテーマに、パソコン修理で実際に行っているパソコン部品リセット方法を公開しています。
BitLocker回復キーを入手してください。

MicrosoftアカウントからBitLocker回復キーを入手してください。
BitLocker回復キーの入力を求める画面が表示される場合のみBitLocker回復キーが必要になります。BitLocker回復キーの入力を求める画面が表示されない場合は、この作業が不要です。
ちなみに、BitLockerとはWindows11なら無料で使える暗号化機能です。そしてBitLocker回復キーとは、暗号化を解除するための48桁の数字だけ(ローマ字はありません)の並びになります。
あえてオンにしている場合は紙やUSBなどにもBitLocker回復キーを保存できますが、BitLockerをオンにした覚えがないのになぜ?という場合は、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーがあります。実は、モダンスタンバイを搭載したパソコンで、かつMicrosoftアカウントでサインインしている(サインインしたことがある)場合は、自動的にBitLockerがオンになり、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーが登録されるという仕組みになっています。
BitLocker回復キーの入手方法は、BitLocker 回復キーを確認する方法 でご確認ください。BitLocker回復キーの探し方がわかったものの、なかなかBitLocker回復キーが見つからないという場合は、BitLocker回復キーが見つからないときに確認したいポイントと事例 でご確認ください。
回復ドライブを作ってください。

正常に起動するパソコンで回復ドライブを作ってください。
回復ドライブはUSBメモリで作成するWindows11のメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
回復ドライブはWindows11とWindows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。
回復ドライブから起動してください。

正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。
回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブ優先で起動します。
その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC、富士通、東芝、Lenovo、DELL、HP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。
回復ドライブからの起動でも、5回以上クルクルマークが回転している場合は、ハードディスク故障の可能性もあります。原因の切り分け方法は、回復ドライブから起動できないときの原因と対処法 こちらの記事をご確認ください。
液晶ディスプレイの故障でシステムの復元を行ったら、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究
同じ”システムの復元”なのですが、回復ドライブから作業したことでWindows起動トラブルが解決した事例研究です。回復ドライブを使っていたなら直せたトラブルが、使っていないために直せなかった……にはならないよう、メンテナンスするときはぜひ回復ドライブをお使いください。
回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかどうかご確認ください。
スタートアップ修復とは、Windowsが起動できない深刻なレベルのトラブルが発生したときのために準備されているメンテナンスのひとつです。スタートアップ修復のプログラムがエラーを自動で発見し修復してくれますので、パソコンが苦手な方でもクリックひとつで簡単にメンテナンスできます。
ちなみに、回復ドライブからの起動後に、「Microsoft IME」、「トラブルシューティング」とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に「スタートアップ修復」のボタンがあります。次に「Windows11」、「シャットダウン」とクリックして完了です。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。
このスタートアップ修復でWindowsの起動エラーが悪化することはありません。パソコンが苦手な方でも安心です。ただ注意点としましては、パソコン部品に故障がありますとデータを壊してしまう恐れがあるということです。データが重要な場合に限り、作業時間が30分を超えたら電源ボタンを長押ししての強制終了したほうがベストです。
回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。
本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。
そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。
ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。
2015年以降のパソコンでしたら処理速度が早いですから、「chkdsk c: /f」が完了するまで10分もかかりません。データが重要な場合に限り、作業時間が10分を超えたら電源ボタンを長押ししての強制終了したほうがベストです。
Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f
」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。ブルースクリーンなどのWindows起動トラブル全般が対象になり、今回のトラブルも対象です。
回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、更新プログラムのアンインストールをクリックしてください。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使った更新プログラムのアンインストールの方法 でご確認ください。
更新プログラムのアンインストールとは Windows Update でインストールした更新プログラムをアンインストールするという機能です。今回のトラブルは Windows Update に失敗している可能性が高く、更新プログラムのアンインストールでトラブルが解決できます。
更新プログラムのアンインストールには「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」と「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」があります。「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」は毎月配信される個々のプログラムです。「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」は年に1回配信されるバージョンアップです。
まずは「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を実行して改善しない場合は、「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」を実行してください。ちなみに、どちらか一方はエラーで実行できません。これは Windows Update から10日を過ぎますとアンインストール情報がなくなるのでエラーになります。
この更新プログラムのアンインストールでWindowsの起動エラーが悪化することはありません。パソコンが苦手な方でも安心です。ただ注意点としましては、パソコン部品に故障がありますとデータを壊してしまう恐れがあるということです。データが重要な場合に限り、作業時間が3時間を超えたら電源ボタンを長押ししての強制終了したほうがベストです。
システムの復元をしたらWindowsが起動しなくなったトラブルの事例研究
こちらの記事は、「システムの復元」を行ったらWindowsが起動しなくなってしまった……という、トラブルを「更新プログラムのアンインストール」で直した事例です。
システムの復元を行って状況が悪化することもありまして、システムの復元を行う前に更新プログラムのアンインストールを行ってください。*更新プログラムのアンインストールを行って状況が悪化することはありません。
回復ドライブのシステムの復元を実行してください。

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください。
システムの復元は復元ポイントというバックアップ時の状態にプログラムを戻します。エラーを起こす前の正常なプログラムに戻りますのでトラブルが解決するという仕組みです。
パソコン部品に故障がありますとデータを壊してしまう恐れがあります。データが重要な場合に限り、作業時間が3時間を超えたら電源ボタンを長押ししての強制終了したほうがベストです。
自動修復を準備していますループでWindowsが起動しないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「システムの復元」でWindows起動トラブルを直した事例です。システムの復元でしか直せないWindows起動トラブルもあります。更新プログラムのアンインストールでも直らないWindows起動トラブルは、システムの復元をお試しください。
この修復方法で直らないときにご確認ください
修理で受けまして、システムの復元で直るWindows起動トラブルは比較的多いのが実際のところです。
もちろん、自分で作業するのは怖いという理由でセルフメンテナンスはしていない方も少数ですがいらっしゃいます。しかし、ほとんどのお客様はシステムの復元を試していらっしゃってWindows起動トラブルを直せていません。
なぜプロが作業すると同じシステムの復元なのにWindows起動トラブルが直るのですか?とご質問を受けることもあります。実は、自分で直せたはずのトラブルが直せなかったというお客様には共通のポイントがありまして、ぜひ以下のことをご注意ください。
ひとつ目としましては、回復ドライブに収録のシステムの復元を使っていないケースがあります。成功率を上げるためにも、回復ドライブは必要です。
ふたつ目としましては、すべての復元ポイントを試されていないケースもあります。たとえば、複数の復元ポイントがある場合に、ひとつだけしか試しておらず、すべての復元ポイントを試していれば、無事にWindows起動トラブルが直せたというケースです。
まとめますと、回復ドライブに収録のシステムの復元を使っていただくことと、複数の復元ポイントがある場合は、Windowsが無事起動するようになるまで、すべての復元ポイントをお試しください。これで自分で直せる確率がグンと上がるかと思います。