オレンジセキュアサービス株式会社

Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い?

放電でWindowsが起動するようになりますか?

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Windows11/Windows10が起動に失敗するようになったため、あれこれと解決方法を探しているのですが、放電で本当にWindowsが起動することもあるのですか?というご質問を受けることもあります。

もちろん、プログラムのエラーでしたり、部品故障が原因でしたら、放電で解決することはありません。その場合は、プログラムのエラーを修復したり、故障部品を交換する必要があります。

しかしもし、パソコン部品の誤作動が原因でWindowsが起動しないのなら、プログラムのエラーを修復しても意味がないですし、部品故障ではないため交換は不要です。誤作動が原因の場合は、放電でパソコン部品をリセットするのが解決方法になります。以下のリンクは当社の実績ブログですが、放電だけで解決した事例も紹介しております。

ただこの放電、とても単純に思える反面で、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。たとえば、”パソコンメーカーさんのサポートに電話して、放電を教わったけど解決できませんでした”みたいな一般の方では解決できずに、私が放電して解決したケースは沢山ありますし、上記リンクの 電源は入るけど起動しないMacBook Airの修復事例 では、Apple正規サービスプロバイダのプロスタッフでも故障と判断していました。実は故障ではなく、私が放電で直しました。トラブルの現場を見ていますと、単純だからこそ、しっかりとした知識が求められているように思います。

そこで今回は、Windowsが起動しないときに私が行う”放電でのパソコン部品リセット方法”を深堀してレポートします。

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*この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。秋葉原で対面のパソコン修理をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。

  1. 放電で起動トラブルが直るその根拠について
  2. Windows起動トラブルを放電で直す方法
  3. 万が一、お困りの時は…
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作者の齋藤実の顔写真

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IT トラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

こんにちは、パソコンが苦手な人でも安全で簡単にできるトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったならとても幸いです! ぜひご活用いただければと思います。

10周年の節目になりましてホームページを新デザインに移行中です。古いデザインのページもありまして大変申し訳ありません。東京、秋葉原のパソコン修理 オレンジセキュアサービス株式会社です。Ver.7.1

放電で起動トラブルが直るその根拠について

パソコンを長年使っていますと、突然USB機器を認識しなくなるようなトラブルが起きることもあります。このような突発的なトラブルの多くは、部品を交換することもなく、Windowsをメンテナンスすることもなく、再起動だけですんなりと解決します。これは部品の誤作動でして、故障ではありません。電源オフだけでリセットされるので、再起動だけで何事もなかったかのように正常に動作するようになります。

このように誤作動は電源オフだけでリセットできるのですが、電源オフだけではリセットされずに誤作動状態を維持してしまうこともあります。

ちなみに、パソコンの電源オフだけでも放電になっていそうですが、実はパソコンの基板には電気が保持されています。パソコンはコンセントから外しても微弱電流と例えましょうか、CMOSというボタン電池を使って時計でしたりBIOSで設定変更した情報を保持しています。*バッテリーのないデスクトップパソコンをコンセントから外しても時計が進んでいるのはボタン電池があるためです。

そしてこの電気が理由で誤作動が続いてしまうこともあり、放電で電気を逃がしてあげて(完全な電源オフを行い)誤作動のない、正常な状態にリセットします。

Windows起動トラブルを放電で直す方法

放電が完了した画像
誤作動が原因のWindows起動トラブルでしたら放電で解決します!

この作業の概要

リセットボタンがあるパソコンは、コンセントを外した状態でリセットボタンをお試しください。それでも状況が改善しない場合は、ボタン電池を外して、メモリを外して、ハードディスク(SSD)を外してください。

放電が完了しましたら、逆再生みたいな感じでハードディスク(SSD)取り付けからスタートし、メモリ、ボタン電池を取り付け、最後にコンセントに接続で完了です。

注意点としましては、パソコン内部の部品を手で触ります。感電しないよう、作業前に電源ケーブルをコンセントから外してください。ノートパソコンはバッテリーも外してください。

それとパソコンによっては分解の難易度が高いものがあり、放電に必要なすべての作業ができない可能性もあります。無理な作業はパソコンを壊してしまう恐れもありまして、無理なくできることのみお試しください。

ここでご紹介するすべての作業にかかる時間の目安は10分です。それではWindows11/Windows10起動トラブルの起きたパソコンを放電で直していきましょう。

  1. コンセントから外してください。
  2. リセットボタンを押してください。
  3. ボタン電池を外してください。
  4. メモリを外してください。
  5. ハードディスク(SSD)を取り外してください。
  6. 電源ボタンをカチカチ押してしてください。
  7. ハードディスク(SSD)を取り付けてください。
  8. メモリを取り付けてください。
  9. ボタン電池を取り付けてください。
  10. コンセントに差してご確認ください。

コンセントから外してください。

ノートパソコンの電源アダプタとバッテリーを外した画像
ノートパソコンは必ずバッテリーも外してください。

電源ケーブル/電源アダプタをパソコンから外してください。ノートパソコンはバッテリーも外してください。

Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、私が確認で電源を入れて何事もなかったかのように起動する(トラブルが起きていない)ケースが多い月ですと5%もあります。当社への移動だけで症状が改善していることから、コンセントから外すだけでも効果は高いと言えます。

もしパソコンの構造上、分解が難しく以下の手順が試せない”コンセントから外すことしかできることがない”みたいな場合は、電源ケーブル/電源アダプタをパソコンから30分以上外してください。コンセントから外すことしかできることがない場合は、1週間でも1か月でも長ければ長いほど良いです。

リセットボタンを押してください。

リセットボタンを押している画面
こちらのノートパソコンはクリップの先が入るくらいの小さな穴に「RESET」と書かれています。

リセットボタンがある場合は、リセットボタンをカチカチ押した後で、1分程度長押ししてください。

コンセントから外したままの状態でリセットボタンを押してください。リセットボタンを強く押すと壊れてしまう恐れもありまして、優しく押してください。このリセットボタンを試しましたら、電源ケーブルをコンセントに差して改善したかどうかご確認ください。

リセットボタンで改善していない場合は、再び電源ケーブル/電源アダプタをパソコンから外して(ノートパソコンはバッテリーも外してください)、次のステップにお進みください。

リセットボタンのない(この作業のできない)パソコンは、コンセントから外した状態で、次のステップにお進みください。

ボタン電池を外してください。

ノートパソコンのボタン電池の画像
ノートパソコンはこの写真のように黒赤ケーブルで接続されているケースもあります。

ボタン電池にアクセスできる場合は、ボタン電池を外してください。

ボタン電池を外しましたら、次のステップにお進みください。*ここでは外すだけでして取り付けは最後に行います。

一般的なボタン電池の画像

このようなボタン電池むき出しですと見つけやすいです。もし見つからない場合は無理せずに次のステップをお試しください。

【感電にご注意ください】パソコン内部の部品をさわるときは必ずコンセントから外した状態で作業してください。

メモリを外してください。

メモリを外した画像

メモリにアクセスできる場合は、メモリを外してください。

メモリを外しましたら、次のステップにお進みください。*ここでは外すだけでして取り付けは最後に行います。

ハードディスク(SSD)を取り外してください。

ハードディスク(SSD)を外した画像

ハードディスク(SSD)にアクセスできる場合は、ハードディスク(SSD)を外してください。

ハードディスク(SSD)を外しましたら、次のステップにお進みください。*ここでは外すだけでして取り付けは最後に行います。

電源ボタンをカチカチ押してしてください。

対象部品を外した画像

上記部品を外したままの状態で、電源ボタンをカチカチ押してしてください。

十分に放電が完了していると思いきや、うっすらと電源ボタンが一瞬光るという、頑固な汚れのように電気が残っていることもあります。ちなみに、コンデンサという部品が電気を保持していることもあります。

電源ボタンをカチカチ押して、電気をしぼり抜いてください。

ハードディスク(SSD)を取り付けてください。

ハードディスク(SSD)を取り付けた画像

ハードディスク(SSD)を外した場合は、ハードディスク(SSD)を取り付けてください。

放電が完了しましたら、ハードディスク(SSD)から取り付け作業をスタートしてください。

メモリを取り付けてください。

メモリを取り付けた画像

メモリを外した場合は、メモリを取り付けてください。

メモリの差し込みがあまいと接触不良になることもあり、奥にあたるまでしっかりと差し込んでください。

増設したメモリがある(改造している)場合は、元のメモリだけ取り付けてください。増設メモリは抜いたままにして状況が改善するかご確認ください。相性問題というトラブルがありまして、これは同じ規格のメモリを使っていても違う製品を使うと誤作動することがあるというものです。

ちなみに、元のメモリを外して、増設したメモリだけを接続するのでも問題ありません。あくまでも相性問題でして、どちらか片方を接続してください。

ボタン電池を取り付けてください。

ボタン電池を取り付けた画像

ボタン電池を外した場合は、ボタン電池を取り付けてください。

ちなみに、ボタン電池を抜き差ししますと、パソコン内部の電気がゼロになります。時計がズレるため初回起動時にエラー表示がでることもありますが問題ありません(時計のエラー表示は電気がゼロになり放電が完了したことの確認になります)。それとBIOSで設定変更した情報は初期値に戻っていますので必要でしたら再度設定変更してください。

コンセントに差してご確認ください。

メモリを取り付けた画像

電源ケーブル(電源アダプタ)をコンセントに差して、改善の有無をご確認ください。

放電で改善している場合は、パソコン部品が今だけ誤作動していたという、一時的なトラブルだったということです。

もし改善しない場合は、Windowsの起動トラブルまたは、パソコン部品の故障がその原因になります。