放電で起動トラブルが直るその根拠について
パソコンを長年使っていますと、突然USB機器を認識しなくなるようなトラブルが起きることもあります。このような突発的なトラブルの多くは、部品を交換することもなく、Windowsをメンテナンスすることもなく、再起動だけですんなりと解決します。これは部品の誤作動でして、故障ではありません。電源オフだけでリセットされるので、再起動だけで何事もなかったかのように正常に動作するようになります。
このように誤作動は電源オフだけでリセットできるのですが、電源オフだけではリセットされずに誤作動状態を維持してしまうこともあります。
ちなみに、パソコンの電源オフだけでも放電になっていそうですが、実はパソコンの基板には電気が保持されています。パソコンはコンセントから外しても微弱電流と例えましょうか、CMOSというボタン電池を使って時計でしたりBIOSで設定変更した情報を保持しています。*バッテリーのないデスクトップパソコンをコンセントから外しても時計が進んでいるのはボタン電池があるためです。
そしてこの電気が理由で誤作動が続いてしまうこともあり、放電で電気を逃がしてあげて(完全な電源オフを行い)誤作動のない、正常な状態にリセットします。
Windows起動トラブルを放電で直す方法

この作業の概要
リセットボタンがあるパソコンは、コンセントを外した状態でリセットボタンをお試しください。それでも状況が改善しない場合は、ボタン電池を外して、メモリを外して、ハードディスク(SSD)を外してください。
放電が完了しましたら、逆再生みたいな感じでハードディスク(SSD)取り付けからスタートし、メモリ、ボタン電池を取り付け、最後にコンセントに接続で完了です。
注意点としましては、パソコン内部の部品を手で触ります。感電しないよう、作業前に電源ケーブルをコンセントから外してください。ノートパソコンはバッテリーも外してください。
それとパソコンによっては分解の難易度が高いものがあり、放電に必要なすべての作業ができない可能性もあります。無理な作業はパソコンを壊してしまう恐れもありまして、無理なくできることのみお試しください。
ここでご紹介するすべての作業にかかる時間の目安は10分です。それではWindows11/Windows10で起動トラブルの起きたパソコンを放電で直していきましょう。
- コンセントから外してください。
- リセットボタンを押してください。
- ボタン電池を外してください。
- メモリを外してください。
- ハードディスク(SSD)を取り外してください。
- 電源ボタンをカチカチ押してしてください。
- ハードディスク(SSD)を取り付けてください。
- メモリを取り付けてください。
- ボタン電池を取り付けてください。
- コンセントに差してご確認ください。
コンセントから外してください。

電源ケーブル/電源アダプタをパソコンから外してください。ノートパソコンはバッテリーも外してください。
Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、私が確認で電源を入れて何事もなかったかのように起動する(トラブルが起きていない)ケースが多い月ですと5%もあります。当社への移動だけで症状が改善していることから、コンセントから外すだけでも効果は高いと言えます。
もしパソコンの構造上、分解が難しく以下の手順が試せない”コンセントから外すことしかできることがない”みたいな場合は、電源ケーブル/電源アダプタをパソコンから30分以上外してください。コンセントから外すことしかできることがない場合は、1週間でも1か月でも長ければ長いほど良いです。
リセットボタンを押してください。

リセットボタンがある場合は、リセットボタンをカチカチ押した後で、1分程度長押ししてください。
コンセントから外したままの状態でリセットボタンを押してください。リセットボタンを強く押すと壊れてしまう恐れもありまして、優しく押してください。このリセットボタンを試しましたら、電源ケーブルをコンセントに差して改善したかどうかご確認ください。
リセットボタンで改善していない場合は、再び電源ケーブル/電源アダプタをパソコンから外して(ノートパソコンはバッテリーも外してください)、次のステップにお進みください。
リセットボタンのない(この作業のできない)パソコンは、コンセントから外した状態で、次のステップにお進みください。
ボタン電池を外してください。

ボタン電池にアクセスできる場合は、ボタン電池を外してください。
ボタン電池を外しましたら、次のステップにお進みください。*ここでは外すだけでして取り付けは最後に行います。

このようなボタン電池むき出しですと見つけやすいです。もし見つからない場合は無理せずに次のステップをお試しください。
【感電にご注意ください】パソコン内部の部品をさわるときは必ずコンセントから外した状態で作業してください。
メモリを外してください。

メモリにアクセスできる場合は、メモリを外してください。
メモリを外しましたら、次のステップにお進みください。*ここでは外すだけでして取り付けは最後に行います。
ハードディスク(SSD)を取り外してください。

ハードディスク(SSD)にアクセスできる場合は、ハードディスク(SSD)を外してください。
ハードディスク(SSD)を外しましたら、次のステップにお進みください。*ここでは外すだけでして取り付けは最後に行います。
電源ボタンをカチカチ押してしてください。

上記部品を外したままの状態で、電源ボタンをカチカチ押してしてください。
十分に放電が完了していると思いきや、うっすらと電源ボタンが一瞬光るという、頑固な汚れのように電気が残っていることもあります。ちなみに、コンデンサという部品が電気を保持していることもあります。
電源ボタンをカチカチ押して、電気をしぼり抜いてください。
ハードディスク(SSD)を取り付けてください。

ハードディスク(SSD)を外した場合は、ハードディスク(SSD)を取り付けてください。
放電が完了しましたら、ハードディスク(SSD)から取り付け作業をスタートしてください。
メモリを取り付けてください。

メモリを外した場合は、メモリを取り付けてください。
メモリの差し込みがあまいと接触不良になることもあり、奥にあたるまでしっかりと差し込んでください。
増設したメモリがある(改造している)場合は、元のメモリだけ取り付けてください。増設メモリは抜いたままにして状況が改善するかご確認ください。相性問題というトラブルがありまして、これは同じ規格のメモリを使っていても違う製品を使うと誤作動することがあるというものです。
ちなみに、元のメモリを外して、増設したメモリだけを接続するのでも問題ありません。あくまでも相性問題でして、どちらか片方を接続してください。
ボタン電池を取り付けてください。

ボタン電池を外した場合は、ボタン電池を取り付けてください。
ちなみに、ボタン電池を抜き差ししますと、パソコン内部の電気がゼロになります。時計がズレるため初回起動時にエラー表示がでることもありますが問題ありません(時計のエラー表示は電気がゼロになり放電が完了したことの確認になります)。それとBIOSで設定変更した情報は初期値に戻っていますので必要でしたら再度設定変更してください。
コンセントに差してご確認ください。

電源ケーブル(電源アダプタ)をコンセントに差して、改善の有無をご確認ください。
放電で改善している場合は、パソコン部品が今だけ誤作動していたという、一時的なトラブルだったということです。
もし改善しない場合は、Windowsの起動トラブルまたは、パソコン部品の故障がその原因になります。