事例の概要:Windowsクルクルが終わらないトラブル
- 症状:起動時のクルクルマーク、または「自動修復を準備しています」の画面から進まず、無限ループしてWindowsが起動しない。
- 原因:Windows Updateや部品の故障ではなく、HDD/SSD内の「ファイルシステム(NTFS)」に論理エラーが発生していた。
- 診断:コマンドプロンプトでシステムファイルを検査しても「異常なし」。システムは正常だが起動しない矛盾から、土台であるファイルシステムの破損を特定。
- 解決策:回復ドライブでパソコンを起動し、コマンドプロンプトで「chkdsk c: /f」を実行して修復完了。
- 注意点:「chkdsk」が途中で止まる、または極端に遅い場合は「物理的な部品故障」の可能性が高い。その状態で無理に進めるとデータを破壊するため、データが必要な場合は操作を中止すること。
パソコンの電源を入れると、永遠に終わらない読み込み中のクルクル画面。強制終了して再起動しても、今度は「自動修復を準備しています」の画面でまたクルクル……。
この「無限ループ」は、Windowsが起動に必要なプログラムを読み込めない時によく起こります。多くのユーザーは「パソコンが壊れた(寿命だ)」と諦めてしまいがちですが、実はまだ直る可能性があります。
今回のトラブルの原因は、Windowsそのものでも、機械的な部品故障でもなく、データを管理する「ファイルシステム」のエラーでした。
このケースであれば、初期化(リカバリ)も高額な部品交換も必要ありません。適切なコマンド処置だけで、データも設定もそのままで復旧可能です。
私たちプロがどのように故障箇所を切り分け、大切なデータを消さずに復旧させたのか。その作業レポートを以下の構成で公開します。
更新理由:2026年1月28日
修理内容はそのままで、注意点などを追記&手順書ではなく、実績ということが明確になる表現をAIで編集(ドキュメンタリー化)しました。
また修理したのはWindows10でしたが、Windows11でも同様のエラー&解決方法です。情報の鮮度に問題がないことを確認しました。
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Author : 齋藤 実
こんにちは!秋葉原で対面のパソコン修理を行っております。この記事は、実際の修理内容をもとにした「修理日誌」としての事例紹介です。「これなら自分で切り分けできそうか」、それとも「修理に出したほうが良さそうか」。その判断材料として、この実録が役立ったなら幸いです。
ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。情報セキュリティマネジメント試験(国家試験)合格。
オレンジセキュアサービス株式会社 | 千代田区神田佐久間河岸70 第二田中ビル4B号 | 営業時間:8時00~20時00(予約制)年中無休 | 出張・持込み・宅急便 | PC修理・ウイルス駆除・データ復旧 | 法人定期保守


プロの診断実録:なぜ「自動修復」でループするのか?
「自動修復」の画面から進まない場合、パソコンの中にある自動修復機能そのものが壊れているため、手詰まりになります。そこで私たちは、別のUSBメモリ(回復ドライブ)を使ってメンテナンス機能を起動し、まるで内視鏡検査のようにパソコンの内部を調査しました。
ステップ1:Windowsの中身は無事か?(生存確認)
まずは、「パソコンのデータが消えていないか」「ハードディスクが認識されているか」を確認します。
コマンドプロンプトという黒い画面で、中身を見る命令を出しました。
*画像はすべて当社のPCです。お客様の画面を撮影することは一切ありません。
通常、重症なトラブルだと、ここでエラーが出たり、何も表示されなかったりします。しかし今回は、ここまでは正常に見えます。
ステップ2:更新プログラムの失敗ではないか?
次に疑ったのは「Windows Update(更新)」の失敗です。更新の直後に起動しなくなるケースは非常に多いためです。
最近インストールされた更新プログラムの履歴を確認しました。
さらに念のため、「システムの復元」も確認しましたが、トラブルが起きた日時に関連する記録はありませんでした。
ステップ3:プロの推理。「正常」なのに起動しない理由は?
ここまでの調査で不可解な状況が見えてきました。
- Windowsのファイルは無事。
- 変な更新プログラムも入っていない。
- なのに、起動しない。
「エラーが見つからないこと」自体がヒントになります。Windows(建物)自体はキレイなのに家に入れないということは、その下の「土台(ファイルシステム)」が崩れている可能性が高いと推測しました。
もし、土台であるファイルシステムが崩れていると、Windowsは自分のプログラムを正しく読み込めず、永遠に「読み込み中(クルクル)」を繰り返してしまいます。
解決編:ファイルシステム修復で復活
推測を裏付けるため、そして修復するために、ファイルシステムを直す専用のコマンドを実行しました。
この画面で文字が動いているのは、壊れていた土台をパソコンが一生懸命直している証拠です。
数分後、修復が完了して再起動すると……無事にいつものWindowsの画面が戻ってきました。
【重要】ご自身で試される方への注意点
この chkdsk という修復作業は、通常なら5分~10分程度で終わります。画面の文字もポンポンとリズミカルに進みます。
もし、「1時間経っても終わらない」「進み方が異常に遅い」という場合は、ただのエラーではなく、ハードディスクなどの部品が物理的に壊れています。
その状態で無理に続けると、トドメを刺してしまい、データがすべて消える恐れがあります。進みが遅いと感じたら、すぐに電源ボタン長押しで強制終了し、修理をご検討ください。
また、BitLocker回復キーの入力を求めてくる場合は、入力しないとメンテナンスができないのですが、スキップされているケースも意外とあります。もしまだ入手できていない場合は、スマホで回復キーを確認する方法 をご確認ください。
補足:ファイルシステムとは?(家の基礎の話)
今回、原因となっていた「ファイルシステム」について少し補足します。
Windowsパソコンの記憶装置(HDDやSSD)は、そのままではデータを保存できません。本棚に仕切りがないと本が整理できないのと同じで、データを管理するための「区画整理」が必要です。この仕組みを「ファイルシステム(NTFS)」と呼びます。
Windowsを「家」だとすると、ファイルシステムは「土地の基礎(コンクリート)」のようなものです。
- Windows(家):見た目も機能も正常。
- ファイルシステム(基礎):ヒビ割れてグラグラ(エラー発生)。
今回のトラブルは、この「基礎」がエラーを起こしていたため、その上に建っている「家(Windows)」に入ろうとしても、入り口が歪んで開かなくなっていた(クルクルが終わらない)状態でした。
「chkdsk」というコマンドは、この基礎のヒビ割れを補修する作業です。基礎さえ直れば、家(Windows)は元通り使えるようになります。
このファイルシステムのエラーは、Windowsの起動トラブル全般でよくある原因の一つです。