Windows11クルクルが終わらない原因
パソコン修理の受付でお客様よりお伺いするのは、電源ボタンを長押しの強制終了したらWindows11クルクルが終わらないトラブルが起きたというものです。
たとえば、パソコンの動作が極端に遅くなったのでシャットダウンしようとスタートボタンをクリックしてもフリーズ状態だったので、電源ボタンを長押しの強制終了するしかなかった……強制終了後からWindows11クルクルが終わらないトラブルが起きたというものです。
こちらは当社の 修理実績ブログ なのですが、昔から、パソコンがフリーズしたので強制終了したらWindowsが起動しなくなったというトラブルは Windows Update トラブルがほとんどです。
Windows Update がたまっていますと、パソコン使用中でも通知もなく強制的に Windows Update がはじまることもあります。パソコンのレスポンスが極端に遅くなり、ほぼフリーズ状態になります。ちなみに、パソコンの電源を入れっぱなしでしたり、スリープがメイン、パソコンの利用頻度が月1回未満ですと、Windows Update がたまってしまうため、強制的にはじまることがあります。
注意点としましては、プログラムをインストールした後でこのトラブルが起きたときはウイルスの可能性もあります。開発元やそのプログラムの入手方法が正しいものでしたらウイルスの可能性はなくなりますが、身元のわからない海外サイトからダウンロードしたようなケースではウイルスと疑ってみてください。このページの修復方法でレポートしているスタートアップ設定(ドライバー署名の強制を無効にする、起動時マルウェア対策を無効にする)は試さないようにしてください。
Windows11が起動しないクルクルが終わらないトラブルの修復方法
Windows11起動トラブルではなく、Windows Update の更新作業に時間がかかっているだけかもしれません。Windows11のクルクルが回り続ける場合ですが、30分は様子見してください。それ以上待ってもWindows11クルクルが回り続けている場合は強制終了してメンテナンスを開始してください。
作業の成功率を高めるためにスタートアップ修復、コマンドプロンプト、更新プログラムのアンインストール、システムの復元の4つのメンテナンスは回復ドライブから行うことをお勧めします。回復ドライブは正常に動作するパソコンで作りますので、信頼性という意味で間違いありません。
もし身元のわからない海外サイトからプログラムをダウンロードしたなどウイルスの可能性もある場合は、スタートアップ設定(ドライバー署名の強制を無効にする、起動時マルウェア対策を無効にする)を試さないようにしてください。
ここでご紹介するすべての作業にかかる最大の作業時間は9時間(通常は2時間未満)です。それではWindows11の起動トラブルを直しましょう。
強制終了してください。
パソコンの電源ボタンを長押しして強制終了してください。
Windows11のクルクルが回り続ける場合ですが、30分は様子見してください。それ以上待ってもWindows11クルクルが回り続けている場合は強制終了してメンテナンスを開始してください。
強制終了しましたら、放電といったパソコン部品のリセットもお試しください。詳細は Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い? でご確認ください。
回復ドライブを作成してください。
正常に起動するパソコンで回復ドライブを作成してください。
回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
回復ドライブはWindows11/Windows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。
回復ドライブの作り方と回復ドライブからの起動方法は Windows11回復ドライブの作り方と起動方法 でご確認ください。
回復ドライブから起動してください。
正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。
回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブ優先で起動します。
その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC、富士通、東芝、Lenovo、DELL、HP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。
もし回復ドライブからの起動でも、5回以上クルクルマークが回転している場合は、ハードディスク故障の可能性もあります。ちなみに、Windowsクルクルが1時間以上回り続けて進まないトラブルを直した事例研究 では、実際にハードディスク故障を切り分けた時の手順を公開しております。回復ドライブからの起動に異常がある場合はこちらの記事もご確認ください。
液晶ディスプレイの故障でシステムの復元を行ったら、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究
同じ”システムの復元”なのですが、回復ドライブから作業したことでWindows起動トラブルが解決した事例研究です。回復ドライブを使っていたなら直せたトラブルが、使っていないために直せなかった……にはならないよう、メンテナンスするときはぜひ回復ドライブをお使いください。
BitLocker回復キーを入手してください。
MicrosoftアカウントからBitLocker回復キーを入手してください。
回復ドライブでの起動後にBitLocker回復キーの入力を求める画面が表示される場合はBitLocker回復キーが必要になります。もしBitLocker回復キーの入力を求める画面が表示されない場合は、この作業が不要です。次の手順にお進みください。
ちなみに、BitLockerとはWindows11なら無料で使える暗号化機能です。そしてBitLocker回復キーとは、暗号化を解除するための48桁の数字だけ(ローマ字はありません)の並びになります。
あえてオンにしている場合は紙やUSBなどにもBitLocker回復キーを保存できますが、BitLockerをオンにした覚えがないのになぜ?という場合は、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーがあります。実は、モダンスタンバイを搭載したパソコンで、かつMicrosoftアカウントでサインインしている(サインインしたことがある)場合は、自動的にBitLockerがオンになり、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーが登録されるという仕組みになっています。
BitLocker回復キーの入手方法は、BitLocker 回復キーを確認する方法 でご確認ください。BitLocker回復キーの探し方がわかったものの、なかなかBitLocker回復キーが見つからないという場合は、BitLocker回復キーが見つからないときに確認したいポイントと事例 でご確認ください。
回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかご確認ください。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。スタートアップ修復とは、Windowsが起動できない深刻なレベルのトラブルが発生したときのために準備されているメンテナンスのひとつです。スタートアップ修復のプログラムがエラーを自動で発見し修復してくれますので、パソコンが苦手な方でもクリックひとつで簡単にメンテナンスできます。
ちなみに、回復ドライブからの起動後に、「Microsoft IME」、「トラブルシューティング」とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に「スタートアップ修復」のボタンがあります。次に「Windows11」、「シャットダウン」とクリックして完了です。
このスタートアップ修復でWindowsの起動エラーが悪化することはありません。パソコンが苦手な方でも安心です。
回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。
本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。
そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。
ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。
Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f
」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。ブルースクリーンなどのWindows起動トラブル全般が対象になり、今回のトラブルも対象です。
スタートアップ設定(ドライバー署名の強制を無効にする)を実行してください。
ドライバー署名の強制を無効にするモードでWindows11を起動してください。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時のドライバー署名の強制を無効にするモードでの起動方法 でご確認ください。ちなみに、Windows11の起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「ドライバー署名の強制を無効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
このドライバー署名の強制を無効にするモードでの起動は、署名のないドライバーをインストールするという特殊な使い方のためにあります。しかし、Windows Update が失敗してドライバーにエラーがあるときもドライバー署名の強制を無効にするモードは有効です。
もし身元のわからない海外サイトからプログラムをダウンロードしたなどウイルスの可能性もある場合はこの作業は試さないでください。
スタートアップ設定(起動時マルウェア対策を無効にする)を実行してください。
起動時マルウェア対策を無効にするモードでWindows11を起動してください。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時の起動時マルウェア対策を無効にするモードでの起動方法 でご確認ください。ちなみに、Windows11の起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「起動時マルウェア対策を無効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
Windows11起動時に読み込まれる起動時マルウェア(ウイルス)対策プログラムを起動しないというものです。これによってマルウェアが含まれている可能性のあるソフトウェアでも、Windows11にインストールできるようになります。このような特殊な使い方をしますが、Windows Update が失敗して誤検出やエラーがあるときも起動時マルウェア対策を無効にするモードは有効です。
もし身元のわからない海外サイトからプログラムをダウンロードしたなどウイルスの可能性もある場合はこの作業は試さないでください。
回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、更新プログラムのアンインストールをクリックしてください。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使った更新プログラムのアンインストールの方法 でご確認ください。
更新プログラムのアンインストールとは Windows Update でインストールした更新プログラムをアンインストールするという機能です。今回のトラブルは Windows Update に失敗している可能性が高く、更新プログラムのアンインストールでトラブルが解決できます。
更新プログラムのアンインストールには「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」と「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」があります。「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」は毎月配信される個々のプログラムです。「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」は年に1回配信されるバージョンアップです。
まずは「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を実行して改善しない場合は、「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」を実行してください。
ちなみに、どちらか一方はエラーで実行できません。これは Windows Update から10日を過ぎますとアンインストール情報がなくなるのでエラーになります。表現を変えますと、トラブルとは関係しない余計な作業ができない仕組みのため、この更新プログラムのアンインストールでWindowsの起動エラーが悪化することはありません。パソコンが苦手な方でも安心です。
システムの復元をしたらWindowsが起動しなくなったトラブルの事例研究
こちらの記事は、「システムの復元」を行ったらWindowsが起動しなくなってしまった……という、トラブルを「更新プログラムのアンインストール」で直した事例です。
システムの復元を行って状況が悪化することもありまして、システムの復元を行う前に更新プログラムのアンインストールを行ってください。*更新プログラムのアンインストールを行って状況が悪化することはありません。
回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください。
システムの復元は復元ポイントというバックアップ時の状態にプログラムを戻します。エラーを起こす前の正常なプログラムに戻りますのでトラブルが解決するという仕組みです。注意点としましては、システムの復元は一部のプログラムしか戻さないため(すべてを戻すわけではないため)矛盾が生じてしまうこともあり、状況が悪化してしまうこともあります。
特に復元ポイントの日時とWindows起動トラブルが起きた日時に関連性がない場合は、トラブルとは関係しない余計な作業になってしまう可能性もあります。日付に関連性がない場合はこの作業を試さないほうが良いでしょう。その他注意点は システムの復元を実行する前に知ってほしい 10 のこと でご確認ください。
自動修復を準備していますループでWindowsが起動しないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「システムの復元」でWindows起動トラブルを直した事例です。システムの復元でしか直せないWindows起動トラブルもあります。更新プログラムのアンインストールでも直らないWindows起動トラブルは、システムの復元をお試しください。
修復できないときのワンポイントアドバイス
上記の作業を行っても、Windows11が起動しないクルクルが終わらないトラブルが改善しない、修復できないときのワンポイントアドバイスです。
Secure BootをオフにすることでWindows起動トラブルが解決するケースもあります。たとえば、Windowsが起動しないクルクルがループするトラブルの事例研究 では、実際にこのトラブルの原因を追及した方法とSecure Bootをオフにして解決したことを事例研究としてアップしています。*Secure Bootをオフにする手順もアップしております。
Windows11はSecure Bootが必須の機能でして、安易にオフにすることは避けたほうが良いかと思います。もしこのページの対処法でも改善しない場合のみ、最終手段としまして、Secure Bootのオフをぜひご確認&お試しいただければと思います。