SSD搭載パソコンなのに「起動しない」トラブルの現場から
- 症状
- 電源投入後、メーカーロゴやWindowsのクルクルマークが1時間以上回り続けて起動しない。回復ドライブからの起動も極端に遅い、または進まない。
- 原因
- データ保存用サブHDD(Dドライブなど)の故障。不良セクタの発生により読み込み処理がタイムアウトせず、システム全体が待機状態(フリーズに近い遅延)に陥っていた。
- 診断
- すべてのドライブを取り外した状態で、回復ドライブが正常に起動することを確認。その後、SSDのみ接続(正常)、HDDのみ接続(再発)という手順で、HDDの故障を特定。
- 解決策
- 故障したハードディスクの物理的な取り外し。OSやデータはSSD側にあったため、部品交換なしで復旧。
- 注意点
- SSDの容量が16GBや32GB(キャッシュ用SSD)の場合、HDDとセットで動作しているため、単に取り外すだけでは解決しない。
「朝、パソコンの電源を入れたら、メーカーロゴの下でクルクルが回ったまま、1時間経っても画面が変わらないんです…」
今回、秋葉原の店舗にお持ち込みいただいたのは、そんなご相談でした。パソコンは比較的新しいモデルで、高速な「SSD」を搭載しています。通常なら10秒から20秒で起動するはずのパソコンが、なぜ1時間も待たされるのでしょうか?
診断の結果、原因はWindows(ソフトウェア)ではなく、パソコン内部にある「使っていないHDDの故障」でした。SSDが正常でも、壊れた部品が足を引っ張って道連れにしていたのです。
【症状チェック】HDD故障の可能性もあり
- 回復ドライブでも起動しない
- メーカーロゴの下で点々が回ったまま進まない
- 画面が真っ暗になるが、マウスポインタだけは動く
- PC本体から「ジージー」「カッコン」と小さな異音がする
- 時間が経てば起動することもあるが、デスクトップの動作が極端に重い
ここでは、プロの修理現場でどのように原因を突き止め、解決したのか、写真を交えてレポートします。もしご自宅のパソコンで同じ症状が出ている場合、回復ドライブで起動できるかどうかがポイントです。起動できない場合は、今回のように分解が必要になりますので修理または買い替えをご検討ください。
更新理由:2026年1月30日
修理内容はそのままで、注意点などを追記&手順書ではなく、実績ということが明確になる表現をAIで編集(ドキュメンタリー化)しました。
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Author : 齋藤 実
こんにちは!秋葉原で対面のパソコン修理を行っております。この記事は、実際の修理内容をもとにした「修理日誌」としての事例紹介です。「これなら自分で切り分けできそうか」、それとも「修理に出したほうが良さそうか」。その判断材料として、この実録が役立ったなら幸いです。
ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。情報セキュリティマネジメント試験(国家試験)合格。
オレンジセキュアサービス株式会社 | 千代田区神田佐久間河岸70 第二田中ビル4B号 | 営業時間:8時00~20時00(予約制)年中無休 | 出張・持込み・宅急便 | PC修理・ウイルス駆除・データ復旧 | 法人定期保守


1. 回復ドライブすら重い?「部品故障」を疑った瞬間
*画像はすべて当社のPCです。お客様の画面を撮影することは一切ありません。
まず疑ったのは Windows Update などの更新処理です。しかし、2018年以降の高性能なパソコン(特にSSD搭載機)であれば、更新であっても30分もあれば終わるはずです。「1時間以上」というのは、明らかに異常事態です。
診断ステップ1:回復ドライブでの起動テスト
Windowsシステムに問題があるのか、機械(部品)に問題があるのかを切り分けるため、当社メンテナンス用の「回復ドライブ(USBメモリ)」から起動を試みました。
通常ならサッと立ち上がるはずの回復ドライブですが、画面が出るまでに非常に時間がかかり、動作もカクカクして不安定でした。
プロの判断:
「Windowsが入っていないUSBメモリからの起動ですら遅い」ということは、Windowsのエラーではありません。パソコンの部品のどこかが故障し、読み込み処理を邪魔している可能性が高いと判断しました。
修理に出す際、「見えないところでどんな作業をされるのか分からない」という不安をお持ちの方も多いはずです。
そのため、当社では実際の診断プロセスを包み隠さず公開しています。ただし、これはあくまで「修理事例」であり、お客様ご自身での分解を推奨する「手順書」ではありません。
内部の分解は、静電気や衝撃で基盤を完全に壊してしまうリスクがあります。「回復ドライブでも起動しない」という段階まで症状が進んでいる場合は、無理をせず修理または買い替えをご検討ください。
診断ステップ2:パソコン部品の放電とリセット
次に、どの部品が悪いのかを特定するため、パソコンを「最小構成」にします。誤作動(一時的なエラー)の可能性も消すため、バッテリーやボタン電池、メモリなどを一度すべて取り外し、電気を逃がす「放電」を行いました。
ここで重要なのが、「SSD」と「ハードディスク(HDD)」も一度取り外すことです。
この「ストレージ(記憶装置)なし」の状態で回復ドライブを起動したところ…、驚くほどスムーズに画面が表示されました!
これで、マザーボードやメモリは正常だとわかりました。犯人は、取り外した「SSD」か「HDD」のどちらかです。
2. 犯人特定:SSDか、それともHDDか?
ここから犯人の絞り込み(切り分け)を行います。一つずつ接続して、症状が再発するかを確認します。
テストA:SSD(Cドライブ)だけ接続
まずは、Windowsが入っているメインのSSDだけを戻して電源を入れました。
結果:
なんと、あっさりとWindowsが起動しました。動作も爆速です。つまり、Windowsのデータも、SSDという部品自体も「正常」でした。
テストB:HDD(Dドライブ)だけ接続
次に、SSDを外して、HDDだけを接続してみました。
結果:
回復ドライブの起動が再び激重になり、クルクルが終わらない症状が再発しました。
結論:
原因は「Dドライブとして積んでいたハードディスクの故障」でした。
HDD内部に「不良セクタ(読み込めない傷)」が発生しており、パソコンがそれを必死に読み込もうとして応答待ちになり、システム全体を巻き込んでフリーズ状態にさせていたのです。
3. 解決:交換ではなく「取り外し」を選んだ理由
お客様に状況をご説明しました。
- Windowsが入っているSSDは無事です。
- データを保存するためのHDDが壊れています。
- しかし、お客様はHDDにデータを保存しておらず、未使用でした。
Dドライブを使っていなかったため、わざわざ費用をかけて新しいHDDに交換する必要はありません。今回は「壊れたHDDを取り外して捨てる」という修理を行いました。
これなら部品代もかからず、作業費のみで安く済みます。取り外し後、パソコンは新品購入時のスピードを取り戻しました。
※注意:取り外すだけで直らないケース(Optaneメモリー)
今回のケースは「SSDとHDDが別々に動いている」構成だったため、HDDを外すだけで直りました。
しかし、SSDのラベルに「16GB」や「32GB」と書かれている場合は注意が必要です。それは「Optaneメモリー」と呼ばれるキャッシュ用SSDで、HDDとニコイチで動く仕組みになっています。
この場合、HDDだけを外すとWindowsが起動しなくなります。ご自身のパソコンがどちらのタイプかわからない場合は、無理に分解せずプロにご依頼ください。