Windows起動中に電源が落ちてしまうトラブルの切り分け方法
Windows起動中に電源が落ちてしまうトラブルの原因としましては、Windowsのエラーと部品のエラーがあります。さらに部品のエラーは、放電で解決するような一時的な誤作動と、交換が必要な故障(恒久的な誤作動)に分けられます。
Windowsのエラーと部品のエラーの切り分け方法は簡単でして、回復ドライブでの起動も電源が落ちてしまう場合は、部品のエラーです。
ちなみに、回復ドライブはWindowsのメンテナンスツールです。正常に起動するパソコンで作成して、トラブルの起きているパソコンで使うことができます。
回復ドライブのプログラムは正常ですから、回復ドライブでの起動も電源が落ちてしまうなら、残る原因は部品にあります、というのが根拠になります。作り方などは、このページの修復方法でレポートしています。
もし部品のエラーだった場合ですが、放電で解決できるなら一時的な誤作動になりますし、放電しても改善しない場合は部品故障と判断できます。
*部品故障の場合は、正常部品と取り換えることで切り分けできます。取り換え用のテスト部品が必要になる関係で、一般の方が部品故障だった場合は、修理に出されたり、新パソコンの購入が現実的な解決策になります。
Windows起動中に電源が落ちてしまうトラブルの修復方法
この作業の概要
回復ドライブから起動できる場合は、Windowsのエラーが原因で起動中に電源が落ちてしまうことが切り分けできます。
回復ドライブから起動しましたら、スタートアップ修復をお試しください。改善しない場合は、次のコマンドプロンプトをお試しください。*すべての作業を行うのではなく、改善しないときだけ次の作業にお進みください。
回復ドライブでの起動も電源が落ちてしまう場合は、放電をお試しください。放電しても改善しない場合は、残る原因が部品故障になります。
ここでは回復ドライブを作成して使っています。32GB以下のUSBメモリをご準備ください。
それではWindows11/Windows10の起動中に電源が落ちてしまうトラブルの修復方法をレポートします。すべての作業時間目安は6時間(通常は2時間以内)です。
- 回復ドライブを作ってください。
- 回復ドライブから起動してください。
- 回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
- 回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
- 回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。
- 回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
回復ドライブを作ってください。
正常に起動するパソコンで回復ドライブを作ってください。
回復ドライブはUSBメモリで作成するWindows11のメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
回復ドライブはWindows11とWindows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。
回復ドライブから起動してください。
正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。
回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブ優先で起動します。
その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC、富士通、東芝、Lenovo、DELL、HP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。
回復ドライブでの起動も電源が落ちてしまう場合は、放電をお試しください。放電の方法は、Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い? パソコン修理で実際に行っている方法を公開しています。
ちなみに、Windows起動中に電源が落ちるトラブルを掃除で直した事例研究 では、CPUファンの掃除で電源が落ちるトラブルを実際に直しました。放電プラスアルファの作業としましてエアブローされるのも良いかと思います。
放電で解決できない場合の部品故障の切り分け方法もレポートしております。もし放電しても解決できない場合はご確認ください。
回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかどうかご確認ください。
スタートアップ修復とは、Windowsが起動できない深刻なレベルのトラブルが発生したときのために準備されているメンテナンスのひとつです。スタートアップ修復のプログラムがエラーを自動で発見し修復してくれますので、パソコンが苦手な方でもクリックひとつで簡単にメンテナンスできます。
ちなみに、回復ドライブからの起動後に、「Microsoft IME」、「トラブルシューティング」とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に「スタートアップ修復」のボタンがあります。次に「Windows11」、「シャットダウン」とクリックして完了です。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。
回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。
本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。
そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。
ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。
Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f
」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。Windows起動トラブル全般で有効です。
回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、更新プログラムのアンインストールをクリックしてください。
更新プログラムのアンインストールとは Windows Update でインストールした更新プログラムをアンインストールするという機能です。アンインストールするだけの作業でして、この作業で状況が悪化してしまうことはありません。
更新プログラムのアンインストールには「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」と「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」があります。「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」は毎月配信される個々のプログラムです。「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」は年に1回配信されるバージョンアップです。
まずは「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を実行してください。エラーになる場合は「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」を実行してください。ちなみに、どちらか一方はエラーで実行できません。これは品質更新と機能更新を同じ月に行わないためです。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使った更新プログラムのアンインストールの方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。
システムの復元をしたらWindowsが起動しなくなったトラブルの事例研究
こちらの記事は、「システムの復元」を行ったらWindowsが起動しなくなってしまった……という、トラブルを「更新プログラムのアンインストール」で直した事例です。
システムの復元を行って状況が悪化することもありまして、システムの復元を行う前に更新プログラムのアンインストールを行ってください。*更新プログラムのアンインストールを行って状況が悪化することはありません。
回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。
システムの復元は復元ポイントというバックアップ時の状態にプログラムを戻します。エラーを起こす前の正常なプログラムに戻りますのでトラブルが解決するという仕組みです。注意点としましては、システムの復元は一部のプログラムしか戻さないため(すべてを戻すわけではないため)矛盾が生じてしまうこともあり、状況が悪化してしまうこともあります。
特に復元ポイントの日時とWindows起動トラブルが起きた日時に関連性がない場合は、トラブルとは関係しない余計な作業になってしまう可能性もあります。日付に関連性がない場合はこの作業を試さないほうが良いでしょう。その他注意点は システムの復元を実行する前に知ってほしい 10 のこと でご確認ください。
自動修復を準備していますループでWindowsが起動しないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「システムの復元」でWindowsの起動トラブルを直した事例です。システムの復元でしか直せないトラブルもあります。更新プログラムのアンインストールでも直らないWindows起動トラブルは、システムの復元をお試しください。