電源が落ちるまでの時間がどんどん短くなるという特徴
このページでは当社の実績ブログ パソコンの電源が落ちてしまいWindowsが起動しないトラブルの修復事例 の記事について、どのように原因を調査して、トラブルを解決していったのかという過程をレポートします。
ちなみに、CPUファンにペットの毛が巻き込まれていたり、ホコリがモコモコとたまっていたなら、わかりやすいと言いましょうか、無意識レベルで取り除くのではないでしょうか。
しかし今回のケースは、膜のような感じでうっすらとファンにホコリが付着している程度でした。マザーボードにホコリなどはなく、掃除をしようと考えることはあり得ないくらい、綺麗と言える状態でした。
*CPUファンの内部(回転軸)にホコリがたまり、絡まっていました。目視ではホコリが見えない状況でした。
ただ、電源を入れてから落ちるまでに時間がどんどん短くなるという大きな特徴がありました。この症状がある場合は、CPUファンの冷却効果に疑問が残ります。ホコリが見えなくても、CPUファンの掃除をしてみてください。
電源が落ちるまでの特徴
パソコンの電源を入れて動作を確認しました。
- まずはデスクトップ画面まで進み、電源が落ち再起動しました。*電源が落ちるまで、だいたい30秒くらいです。
- 再起動後、Windowsのクルクルマーク画面で電源が落ち再起動しました。*電源が落ちるまで、だいたい10秒くらいです。
- 自動修復を準備していますメッセージが表示され、電源が落ち再起動しました。*電源が落ちるまで、だいたい5秒くらいです。
- VAIOロゴが表示される前に、電源のオンオフを繰り返し、画面がチカチカしていました。*電源が落ちるまで1秒未満です。
このように電源が落ちるまでの時間がどんどん短くなる場合は、10分くらい放置してから、電源を入れてみてください。もし10分でも休ませることで、1)の稼働時間に戻る場合は、CPUの温度が自然に下がったためと考えられます。
CPUファンの冷却効果が疑わしいため、目視でホコリがない綺麗な状態でも、CPUファンの掃除をしてみてください。
Windows起動中に電源が落ちるトラブルの切り分け方法
Windows起動中に電源が落ちるトラブルの原因は、CPUファンの冷却だけではありません。今回、その原因の切り分け作業中にCPUファンいう答えにたどり着きました。
具体的な作業内容としましては、放電を行ってから、最小構成でパソコンの動作を確認しました。
放電
今回のように、電源が落ちるまでの時間が変化するトラブルは、Windowsプログラムのエラーではありません。
ちなみに、Windowsプログラムのエラーが原因でしたら、該当プログラムがロードされた瞬間に電源が落ちます。そのため、電源が落ちるまでの時間は一定になります。
部品のエラーがその原因になりまして、放電で解決するような一時的な誤作動と、交換が必要な故障(恒久的な誤作動)があります。
放電しても解決できない場合の残る原因は部品故障になります。その切り分けとしまして、まずは放電を行いました。
ノートパソコンでしたので、電源アダプタ、バッテリー、内臓のボタン電池、メモリ、SSDの5点を外して、放電しました。これら5点につきましては Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い? で写真付きでレポートしております。
部品の最小構成
放電後に、部品の最小構成でも電源が落ちるかどうか確認しました。*電源が落ちる場合の残る原因は部品故障と判断できます。
部品の最小構成は、CPU、マザーボード、メモリ、CPUファン、電源アダプタの5点だけを接続して電源を入れました。
ちなみに、電源が落ちる時間は事前に動作確認しております。時間で確認しますので、液晶ディスプレイを使う必要はありませんし、Wi-Fiアダプタやキーボードも不要です。そのため、不要な部品やコネクターはすべて外してあります。接続しているのは、上記5点のみです。
裏蓋を外したマザーボードが見えている状態で、電源がいつ落ちるのかを確認していたのですが、”チッチッチッチ”というとても小さな異音がずっと続きました。音が鳴るような部品はCPUファンくらいしかないのですが、目視で確認したところ、CPUファンが回転しておらず、動いておりません。
ピンを使って手動でCPUファンをちょっとだけつついたところ、そのままCPUファンが回転をはじめました。仕上げにエアブローでCPUファン内部に潜り込んだ、大量のホコリをすべて飛ばして完了しました。
CPUファンの回転が止まってしまいますと、CPUの冷却ができないため、熱暴走を起こします。内部に巻き付いたホコリを取り除くことで、CPUファンが回転し、冷却効果が復活しました。熱暴走による電源が落ちる現象を改善しました。
もしCPUファンが回転していたなら……
もしCPUファンが回転していたと想定しましょう。最小構成でも電源が落ちてしまう場合は、熱暴走ではありません。
*今回のような電源が落ちるまでの時間が変化するトラブル限定ではなく、Windows起動中に電源が落ちるトラブル全般が対象の”もし”になります。
最小構成でも電源が落ちる残る原因は、CPU、マザーボード、メモリ、電源アダプタになります。
電源アダプタはLEDランプがありますので、電源が落ちるタイミングで、LEDランプが消えていないかを目視で確認ができます。*コンセントはタコ足配線せずに、パソコンだけつないでください。
メモリは、正常なメモリに交換してテストできます。
もし電源アダプタやメモリの故障が原因でしたら、価格が安価ですから、交換して完了です。
もし電源アダプタとメモリが正常でしたら、残る原因はCPUとマザーボードです。コストパフォーマンスで判断しますと、新パソコン購入が解決策になるかと思います。
もし最小構成で電源が落ちない場合は……
もし最小構成で電源が落ちないと想定しましょう。いま接続していない部品に、電源が落ちてしまう原因がいます。1点ずつ接続しては電源を入れて確認してください。
*こちらも今回のような電源が落ちるまでの時間が変化するトラブル限定ではなく、Windows起動中に電源が落ちるトラブル全般が対象の”もし”になります。
ちなみに、液晶ディスプレイやWi-Fiアダプタ、キーボードなどの故障が理由で、パソコンの電源が落ちてしまう可能性はゼロに近いでしょう。*切り分けにならなくなってしまうため、最小構成ではしっかりと外す必要があります。
そして残る原因の可能性No.1はSSDです。
その関係で最後に接続すのは、SSDにしてください。もしSSDを接続して電源が落ちてしまう場合は、Windowsのエラーも可能性として残ります。回復ドライブから起動してください。
回復ドライブから起動しても電源が落ちてしまうなら、SSD故障が原因ですし、電源が落ちない場合は、Windowsのエラーです。もしWindowsのエラーが原因でしたら Windows起動中に電源が落ちてしまうトラブルの修復方法 をご確認ください。こちらの記事でWindowsエラーの直し方や回復ドライブの作り方も含めてレポートしています。
まとめ
電源を入れてから落ちるまでに時間がどんどん短くなるという症状がある場合は、CPUファンの冷却効果に疑問が残ります。ホコリが見えなくても、CPUファンの掃除をしてみてください。
もし今回とは違いCPUファンが回転しているようなケースや、もし電源が落ちるまでの時間が、短くなったり、長くなったり、不安定なケースは、最小構成から状況を確認してみてください。
CPUファンの内部を清掃するコツ
イメージしやすいように文章としましては、”ホコリがCPUファンの回転軸に巻き付いていた”と書いておりますが、ガチガチに固まるレベルではありません。
CPUファンが回転していないため、針の先でちょこっと押して確認した程度です。
ちなみに、ノートパソコンのCPUファンは、綿棒などでちょこっと押す程度で回転するくらい、とても軽いものです。内部にホコリがたまるくらいでも、引っかかってしまうことがあるのかもしれません。
CPUファンを分解するのは大変です。CPUファンの内部を清掃するコツとしましては、ホームセンターなどで販売されている、エアーダスター缶を使ってエアブローしてください。これで十分にホコリを排出できます。
万が一、掃除をしてもCPUファンが回転しないときは、CPUファンの故障やCPU(温度センサー)の故障になります。*部品交換が必要になり、掃除では解決できません。