Windowsクルクルの後の黒い画面から進まない原因について
パソコンの電源を入れますと、パソコンの部品が起動してWindowsにバトンタッチします。そしてWindowsのプログラムがどんどん読み込まれ起動が完了します。
Windowsクルクルの後の黒い画面から進まないというトラブルは、サインイン画面直前まで進んでおりますから、起動完了間近でエラーになっていることがわかります。読み込みが完了したWindowsプログラムのエラーが原因です。
ちなみに、パソコンの電源を入れた直後のトラブルでしたら、パソコン部品がWindowsにバトンタッチする設定などでエラーが起きています。読み込みのはじまっていないWindowsプログラムはまだまだ眠っておりまして、関係しません。
パソコンの電源を入れてから起動完了するまでにいくつかのフェーズがあり、エラーを起こしている要因も変わってきます。そして、起動完了間近でエラーになってしまう場合は、Windowsプログラムのエラーがその原因です。
ただ、パソコン部品の誤作動が原因ということもあります。たとえば、パソコン使用中に印刷ができなかったり、Wi-Fiへのアクセスが切れてしまったときに”再起動”だけで直った経験をされている方も多いかと思いますが、電源を落とすだけで解決するような、今だけパソコン部品が誤作動しているというトラブルもあります。
そのため、大前提としてWindowsプログラムのエラーがその原因なのですが、パソコン部品の誤作動が原因ということもあります。
そこでWindowsクルクルの後の黒い画面から進まないトラブルの対処法としましては、パソコン部品に誤作動がない状態にメンテナンスしてからWindowsプログラムのエラーを直していきます。
Windowsクルクルの後の黒い画面から進まないトラブルの修復方法
この作業の概要について
パソコン部品の誤作動で、Windowsが正常に動作できずトラブルが起きることもあります。まずはパソコン部品のリセットを行いまして、パソコン部品に誤作動がない状態にしてください。
パソコン部品に誤作動がない場合ですが、残る原因はWindowsプログラムのエラーと切り分けできます。主となる修復方法は、システムの復元になります。
ただし、システムの復元は劇薬と言いましょうか、システムの復元とは関係しないエラーが原因ですと、直すつもりで悪化してしまうこともあります。そのため、悪化するリスクのないメンテナンスを先に行ってWindowsクルクルの後の黒い画面から進まないトラブルが改善するかをご確認ください。それでも改善しないときに、最終手段でシステムの復元をお試しください。
ここでは回復ドライブを使ったメンテナンス方法をレポートしております。すべての作業にかかる最大の作業時間は8時間(通常は2時間未満)です。それではWindowsの起動トラブルを直しましょう。
パソコン部品のリセットを行ってください。
パソコンを放電して、パソコン部品が誤作動していない状態にリセットしてください。
Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、パソコンが到着したらトラブルが起きていないというケースが多い月ですと5%もあります。ちなみに、Windowsはメンテナンスしないとトラブルが直りませんし、パソコン部品の故障なら交換が必要です。当社への移動だけで症状が改善していることから、放電だけで解決するような一時的なエラーや誤作動は一定数あると言えます。
一般論としまして、コンセントとバッテリー(ノートパソコン)を外すだけも放電作業になります。ただそれだけでは、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。
リンク先のページでは完全な放電をテーマに、パソコン修理で実際に行っているパソコン部品リセット方法を公開しています。
回復ドライブを作成してください。
正常に起動するパソコンで回復ドライブを作成してください。
回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
回復ドライブはWindows11/Windows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。
回復ドライブの作り方は Windows11、Windows10でご確認ください。
液晶ディスプレイの故障でシステムの復元を行ったら、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究
同じ”システムの復元”なのですが、回復ドライブから作業したことでWindows起動トラブルが解決した事例研究です。回復ドライブを使っていたなら直せたトラブルが、使っていないために直せなかった……にはならないよう、メンテナンスするときはぜひ回復ドライブをお使いください。
回復ドライブから起動してください。
正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。
回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブ優先で起動します。
その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC、富士通、東芝、Lenovo、DELL、HP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。
BitLocker回復キーを入手してください。
MicrosoftアカウントからBitLocker回復キーを入手してください。
回復ドライブでの起動後にBitLocker回復キーの入力を求める画面が表示される場合はBitLocker回復キーが必要になります。もしBitLocker回復キーの入力を求める画面が表示されない場合は、この作業が不要です。次の手順にお進みください。
ちなみに、BitLockerとはWindowsなら無料で使える暗号化機能です。そしてBitLocker回復キーとは、暗号化を解除するための48桁の数字だけ(ローマ字はありません)の並びになります。
あえてオンにしている場合は紙やUSBなどにもBitLocker回復キーを保存できますが、BitLockerをオンにした覚えがないのになぜ?という場合は、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーがあります。実は、モダンスタンバイを搭載したパソコンで、かつMicrosoftアカウントでサインインしている(サインインしたことがある)場合は、自動的にBitLockerがオンになり、MicrosoftアカウントにBitLocker回復キーが登録されるという仕組みになっています。
BitLocker回復キーの入手方法は、BitLocker 回復キーを確認する方法 でご確認ください。BitLocker回復キーの探し方がわかったものの、なかなかBitLocker回復キーが見つからないという場合は、BitLocker回復キーが見つからないときに確認したいポイントと事例 でご確認ください。
回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかご確認ください。
このスタートアップ修復とは、Windowsが起動できない深刻なレベルのトラブルが発生したときのために準備されているメンテナンスのひとつです。スタートアップ修復のプログラムがエラーを自動で発見し修復してくれますので、パソコンが苦手な方でもクリックひとつで簡単にメンテナンスできます。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。Windws11で書いておりますが、Windows10に読み替えていただければ作業方法は同じです。
ちなみに、回復ドライブからの起動後に、「Microsoft IME」、「トラブルシューティング」とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に「スタートアップ修復」のボタンがあります。次に「Windows11(Windows10)」、「シャットダウン」とクリックして完了です。
回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。
本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。
そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。
ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。
Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f
」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。ブルースクリーンなどのWindows起動トラブル全般が対象になり、今回のトラブルも対象です。
スタートアップ設定(ドライバー署名の強制を無効にする)を実行してください。
ドライバー署名の強制を無効にするモードでWindowsを起動してください。
このドライバー署名の強制を無効にするモードでの起動は、署名のないドライバーをインストールするという特殊な使い方のためにあります。しかし、ドライバーにエラーがあるときも署名との差異が生じてしまうため、ドライバー署名の強制を無効にするモードは有効です。
*Windowsプログラムに異常がある場合でも、それを無視して起動してくださいという趣旨です。
ただし、もし身元のわからない海外サイトからプログラムをダウンロードした後で起きたトラブルの場合は、ウイルスの可能性もあるため、この作業は試さないでください。システムの復元にお進みください。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時のドライバー署名の強制を無効にするモードでの起動方法 でご確認ください(Windows10に読み替えていただければ作業方法は同じです)。ちなみに、Windowsの起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「ドライバー署名の強制を無効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
スタートアップ設定(起動時マルウェア対策を無効にする)を実行してください。
起動時マルウェア対策を無効にするモードでWindowsを起動してください。
Windows起動時に読み込まれる起動時マルウェア(ウイルス)対策プログラムを起動しないというものです。これによってマルウェアが含まれている可能性のあるソフトウェアでも、Windowsにインストールできるようになります。このような特殊な使い方をしますが、ドライバーも含めたWindowsのプログラムにエラーがあるときも起動時マルウェア対策を無効にするモードは有効です。
*Windowsプログラムに異常がある場合でも、それを無視して起動してくださいという趣旨です。
ただし、もし身元のわからない海外サイトからプログラムをダウンロードした後で起きたトラブルの場合は、ウイルスの可能性もあるため、この作業は試さないでください。システムの復元にお進みください。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時の起動時マルウェア対策を無効にするモードでの起動方法 でご確認ください(Windows10に読み替えていただければ作業方法は同じです)。ちなみに、Windowsの起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「起動時マルウェア対策を無効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。
システムの復元は復元ポイントというバックアップ時の状態にプログラムを戻します。エラーを起こす前の正常なプログラムに戻りますのでトラブルが解決するという仕組みです。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください(Windows10に読み替えていただければ作業方法は同じです)。
Windowsブルースクリーン青い画面で起動しないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に”システムの復元”で、Windows起動トラブルを直した事例研究です。
ブルースクリーンもWindowsのクルクルが終わったタイミングで発生するWindowa起動トラブルです。今回のトラブルと同様でWindowsプログラムのエラーがその原因です。
修復できないときは
このページでご紹介しました、Windowsクルクルの後の黒い画面から進まないトラブルの修復方法でも改善しない場合です。
Windowsクルクルの後の黒い画面まで(サインイン画面直前まで)進むということは、多くのWindowsプログラムが読み込まれています。必要最低限のWindowsプログラムの読み込みが完了しておりますと、セーフモードで起動できます。
ちなみに、Windows11サインインしてもデスクトップ画面まで進まないトラブルの事例研究 では、セーフモード起動して、エラーの起きているプログラムを停止することでWindowsが起動するようになりました。
セーフモードでの起動後にエラーの起きているプログラムを探すのは大変かもしれませんが、最悪、データが取り出せれば何とかなるケースもあるかと思います。*セーフモードでもデータのバックアップができます。
Windows起動トラブルの解決に向けた選択肢が広がるかと思います。ぜひお試しください。*作業方法もリンク先のページでレポートしております。