Windows11サインイン後にデスクトップ画面まで進まない修理事例 Update失敗の表示とソフト競合の診断録

結論:原因はUpdate失敗ではなく、複数インストールされていたウイルス対策ソフトの競合(バッティング)でした。
セーフモード起動後、システム構成でサービスを無効化して特定。不要なソフトを削除することで復旧しました。


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オレンジセキュアサービス株式会社

東京都千代田区神田佐久間河岸70-4B
TEL : 03-5823-1870

Update失敗後、サインイン画面から先へ進まない

症状
Windows 11のサインイン認証(パスワード/顔認証)は完了するが、その後のデスクトップ画面が表示されず進まない。直近で「Windows Update失敗」の警告が頻発していた。
診断
コマンドプロンプト(DISMなど)での調査では更新履歴やファイルシステムに異常なし。セーフモード起動後に「システム構成(msconfig)」を確認したところ、セキュリティソフトの重複を発見。
原因
「マカフィートータルプロテクション」と「Apex One」、2つのウイルス対策ソフトが同時に有効になっており、競合(バッティング)を起こしていた。
解決策
セーフモードから「システム構成」のサービスを開き、該当ソフトを一時的に無効化して再起動。正常起動を確認後、不要なソフトをアンインストールして解決。

「パスワードを入力して認証は通るのに、いつまで待ってもデスクトップのアイコンが出てこない」
今回のお客様は、このような奇妙な状態で持ち込まれました。

通常、Windowsが壊れるときは起動時のクルクルマークで止まることが多いのですが、今回は「サインイン(顔認証やPIN入力)までは正常」という点が特徴的です。デスクトップ画面に切り替わろうとした瞬間に、何かが邪魔をして時が止まったような状態でした。

お客様によると「最近、Windows Updateに失敗したというメッセージが何度も出ていた」とのこと。一見すると、更新プログラムのインストール失敗が原因のように思えます。

しかし、私たちが専門ツールで内部を調査した結果、真犯人は意外なところに潜んでいました。これは「Updateの失敗に見せかけた、セキュリティソフトの競合トラブル」の修復記録です。

更新理由:2026年1月29日
修理内容はそのままで、注意点などを追記&手順書ではなく、実績ということが明確になる表現をAIで編集(ドキュメンタリー化)しました。

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お問い合わせフォーム
電話番号は0358231870です

捜査1:コマンドプロンプトで「Update失敗」の痕跡を洗う

サインイン画面で止まっているパソコンのイメージ
認証は通るが、ここからデスクトップ画面へ切り替わらない。
*画像はすべて当社のPCです。お客様の画面を撮影することは一切ありません。

まずは、お客様の証言である「Windows Updateの失敗」が原因かどうかを裏付けるため、Windowsの回復ドライブから「コマンドプロンプト(黒い画面)」を起動し、パソコンの内部ログを直接確認します。

「$WinREAgent」の日付を確認

まず「dir c:\ /a」というコマンドを打ち込み、Cドライブの裏側を確認しました。注目したのは「$WinREAgent」という隠しフォルダです。このフォルダの日付がトラブル発生時刻と一致している場合、Updateの失敗が濃厚となります。

コマンドプロンプトでフォルダの日付を確認している画面
調査中の画面。フォルダの日時は近いものの、決定的ではありませんでした。

日付に関連性はありましたが、その他の主要なシステムファイルの日付には異常がありませんでした。Windows Updateでシステムが破壊された場合、もっと広範囲に日付が書き換わっているのが普通です。この時点で「Update失敗説は怪しい」と直感しました。

パッケージ情報の詳細検査

念のため、「dism /image:c:\ /get-packages」という解析コマンドで、インストールされた更新プログラムの状態をチェックします。

コマンドプロンプトで更新パッケージを確認している画面
エラーがあればここに「保留中」などの異常が出ますが、きれいな状態でした。

結果は「異常なし」。もしUpdateが原因で起動しないなら、ここに失敗の履歴が残るはずです。このことから、「Updateをする準備はしていたが、実行される前に何かが起きて止まっている」と推測できます。

最後に「chkdsk c:\ /f」でハードディスクやSSDの部品故障もチェックしましたが、機械的な故障もありませんでした。

チェックディスクの結果画面
部品故障もなし。これで「ソフト的な要因」に絞り込まれました。

捜査2:セーフモードで「真犯人」を特定する

「部品は壊れていない」「Windowsの更新データも壊れていない」。
それなのに、デスクトップ画面が出ない。

この状況で疑うべきは、「Windowsと一緒に起動しようとして、失敗しているアプリ」です。これを確かめるために、最低限の機能だけで起動する「セーフモード」を試みました。

スタートアップ設定でセーフモードを選択
セーフモードであれば、邪魔なアプリを無視してデスクトップまで進める可能性があります。

予想通り、セーフモードでは無事にデスクトップ画面が表示されました。やはり、Windows自体は壊れていません。

ここで、Windowsの起動プログラムを管理する「システム構成(msconfig)」というツールを開き、バックグラウンドで動いているサービスを確認したところ、驚きの事実が判明しました。

システム構成でサービスを確認中
画面の中に「McAfee」と「Apex One」、2つのセキュリティソフトの名前が見つかりました。

原因判明:ウイルス対策ソフトの「多重起動」

サービス一覧の中に、家庭用の「マカフィートータルプロテクション」と、法人向けの「Apex One」、2種類のウイルス対策ソフトが両方とも「実行中」になっていました。

ウイルス対策ソフトは権限が非常に強いため、1つのパソコンに2つ入れると、お互いをウイルスと認識して攻撃しあったり、システムの取り合い(競合)を起こしたりします。その結果、サインイン後の画面表示処理でフリーズしていたのです。

解決:システム構成(msconfig)での修復手順

原因さえ分かれば、修復はシンプルです。セーフモードのまま、競合しているソフトを強制的に眠らせます。
私たちが実際に行った処置は以下の通りです。

チェックを外して無効化する作業
  1. タスクバーの検索アイコン(虫メガネマーク)をクリック
  2. 検索画面が表示されますので、”msconfig”と入力
  3. 検索結果に、システム構成が表示されます。”管理者として実行”をクリック
  4. システム構成画面が表示されたら、”サービス”タブをクリック

サービスの無効化作業

セーフモードで「システム構成(msconfig)」を起動し、「サービス」タブを開きます。
ここで、原因となっていたマカフィーとApex Oneのチェックマークを外しました。

セーフモードからシステム構成を読み込んでメンテナンスしている画像
該当アプリのチェックマークを外しますと、無効になります。

「OK」を押すとポップアップ画面が表示されます。「再起動(R)」をクリックして再起動したら、嘘のようにスムーズに通常のデスクトップ画面が表示されました。

再起動画面
「再起動(R)」をクリックしてご確認ください。

起動後、お客様に確認を取り、不要だったほうのマカフィーを正式にアンインストールしました。残ったApex Oneが正常に動くことを確認し、また溜まっていたWindows Updateもすべて正常に適用して修理完了です。

まとめ

OS Windows 11 (22H2への更新待機中)
エラー表示 なし(サインイン後の暗転・フリーズ)
真の原因 セキュリティソフトの競合(McAfee × Apex One)
解決ツール セーフモード、システム構成 (msconfig)

ご自身で作業する場合の最終確認(セーフティネット)

本記事は実際の修復事例に基づいたレポートです。ご自身で同様の作業を行う場合、環境の違いやリスクを考慮する必要があります。

1. 回復ドライブ(必須ツール)

回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。トラブルが起きてからでは作成できないため、会社やご家庭にある「正常に動作する別のパソコン」で作成する必要があります。
作成方法は 回復ドライブの作り方と起動方法 でご確認ください。

2. BitLocker(暗号化)の確認

コマンド操作の途中でBitLocker回復キーの入力を求められることがあります。
不明な場合は スマホで回復キーを確認する方法 をご確認ください。

3. 復旧直後のバックアップ

10分程度で直せた簡単そうなトラブルでも、実はシステムが不安定になっている「隠れ重症」のケースがあります。無事に起動したら、油断せずに最優先でバックアップを取ってください。

4. 部品故障(HDD/SSD)だった場合のリスク

私どもは事前に専用機材で部品故障の有無をチェックしてから作業を行います。もしトラブルの真因が「HDDやSSDの寿命」だった場合、負荷のかかるコマンド修復作業は、壊れかけの部品にトドメを刺す行為になりかねません。
回復ドライブでの作業中に「異常に遅い」「フリーズする」などの違和感がある場合は、無理に操作せずプロにご依頼ください。

5. ドライブレターの違い

Windowsがインストールされている場所は、通常「Cドライブ」ですが、回復ドライブ上では「D」や「E」ドライブとして認識されることがあります。
dir c: で中身が見つからない場合は、dir d:dir e: も試して、Windowsフォルダが入っている場所を探してください。