Windowsサインイン画面が表示されない原因について
Windowsに登録しましたパスワードなどのアカウント情報は、WindowsレジストリのSAMというファイルに保存されています。
そのSAMというファイルを削除したり、他のパソコンから移植するなどの実験をしますと、Windowsロック画面が表示される前にブルースクリーンという、Windowsエラー画面が表示されてしまいます。
つまり、Windowsロック画面まで進むということは、パスワードといった”情報のエラー”ではないということです。
ちなみに、パソコン修理の実務では、パスワードをブランク(なし)にするという強制解除をしています。パスワードがないため、ロック画面などを飛ばして、ようこそ画面が表示されデスクトップ画面まで進んでくれます。
このことからもパスワードといった情報のエラーではなく、サインイン画面を表示するプロセスのプログラムにエラーが起きていることがわかります。
パスワードの強制解除は難易度が高いため説明が難しいのですが、Windowsプログラムのエラーを直したり、エラーを無効にする方法は、Windowsの機能を使って簡単に試すことができます。ぜひ次の”Windowsサインイン画面が表示されないときの修復方法”をお試しください。
Windowsサインイン画面が表示されないときの修復方法
この作業の概要について
パソコン部品の誤作動が原因でWindowsが正常に動作できないトラブルもありまして、まずはパソコン部品のリセットからお試しください。
パソコン部品をリセットしても解決しないときは、システムの復元で復元ポイントをご確認ください。最後にシャットダウンした日と一致する復元ポイントがあれば、それがエラーの原因でして実行してください。
もし一致する復元ポイントがない場合は、ドライバー署名の強制を無効にするをお試しください。症状が改善するまで順番にメンテナンスを進めてください。
ちなみに、無事にWindowsが起動できるようになりましたら、次の作業に進まなくても問題ありません。*すべての作業を行う必要はありません。
それではWindows11/Windows10のサインイン画面が表示されないときの修復方法をレポートします。すべての作業時間目安は3時間(通常は1時間以内)です。
- パソコン部品をリセットしてください。
- 回復ドライブを作ってください。
- 回復ドライブから起動してください。
- 回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
- 回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
- ドライバー署名の強制を無効にするを実行してください。
- 起動時マルウェア対策を無効にするを実行してください。
- セーフモードを有効にするを実行してください。
- 回復ドライブのシステムの復元(他の復元ポイント)を実行してください。
パソコン部品をリセットしてください。
パソコン部品をリセットして、パソコン部品のエラーを改善してください。
Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、パソコンが到着したらトラブルが起きていないというケースが多い月ですと5%もあります。ちなみに、Windowsはメンテナンスしないとトラブルが直りませんし、パソコン部品の故障なら交換が必要です。当社への移動だけで症状が改善していることから、放電だけで解決するような一時的なエラーや誤作動は一定数あると言えます。
一般論としまして、コンセントとバッテリー(ノートパソコン)を外すだけも放電作業になります。ただそれだけでは、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。
リンク先のページでは完全な放電をテーマに、パソコン修理で実際に行っているパソコン部品リセット方法を公開しています。
回復ドライブを作ってください。
正常に起動するパソコンで回復ドライブを作ってください。
回復ドライブはUSBメモリで作成するWindows11のメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
回復ドライブはWindows11とWindows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。
回復ドライブの作り方は Windows11、Windows10 でご確認ください。
液晶ディスプレイの故障でシステムの復元を行ったら、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究
同じ”システムの復元”なのですが、回復ドライブから作業したことでWindows起動トラブルが解決した事例研究です。回復ドライブを使っていたなら直せたトラブルが、使っていないために直せなかった……にはならないよう、メンテナンスするときはぜひ回復ドライブをお使いください。
回復ドライブから起動してください。
正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。
回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブ優先で起動します。
その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC、富士通、東芝、Lenovo、DELL、HP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。
こちらは注意点になります。回復ドライブからの起動でも、5回以上クルクルマークが回転している場合は、ハードディスク故障の可能性もあります。原因の切り分け方法は、回復ドライブから起動できないときの原因と対処法 こちらの記事をご確認ください。
回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。
本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。
そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。
ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。
Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究
こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f
」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。
ちなみに、ファイルシステムとは、プログラムやデータなどのファイルを管理するための仕組みでして、ファイルシステムにエラーがあればサインイン画面を構成するプログラムにアクセスできないなどのトラブルが起こります。
*リンク先の症状とこのページの症状は違うものですが、ファイルシステムのエラー内容によって症状が変わり、ブルースクリーンなどのさまざまなWindows起動トラブルが起こります。
回復ドライブのシステムの復元を実行してください。
回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。
システムの復元は、Windowsにイベントがありますと、復元ポイントというバックアップを作成しています。
そのため、最後にシャットダウンした日と一致する復元ポイントがあれば、そのイベントがエラーの原因です。その復元ポイントを選択して実行してください。
ちなみに、1週間電源を入れっぱなしだった場合は、最後にシャットダウンした日(1週間前)からトラブルが起きるまでの間に作成された復元ポイントも対象になります。
詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。
もし該当する復元ポイントがない場合は、次の”ドライバー署名の強制を無効にする”をお試しください。*システムの復元で悪化してしまうケースもありまして、該当しない復元ポイントは、一番最後に実行してください。
ドライバー署名の強制を無効にするを実行してください。
ドライバー署名の強制を無効にするモードでWindowsを起動してください。
このドライバー署名の強制を無効にするモードでの起動は、署名のないドライバーをインストールするという特殊な使い方のためにあります。
しかし、署名がらみのWindowsエラーをこのドライバー署名の強制を無効にするモードで無効化できます。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時のドライバー署名の強制を無効にするモードでの起動方法 でご確認ください。*Windows10でも操作方法は同じです。
ちなみに、Windows11の起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「ドライバー署名の強制を無効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
起動時マルウェア対策を無効にするを実行してください。
起動時マルウェア対策を無効にするモードでWindowsを起動してください。
Windows起動時に読み込まれる起動時マルウェア(ウイルス)対策プログラムを起動しないというものです。これによってマルウェアが含まれている可能性のあるソフトウェアでも、Windowsにインストールできるようになります。本来は、このような特殊な使い方をします。
しかし、誤検出が理由でWindowsをブロックしてしまうこともあります。そのようなトラブルを無効化できます。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時の起動時マルウェア対策を無効にするモードでの起動方法 でご確認ください。*Windows10でも操作方法は同じです。
ちなみに、Windows11の起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「起動時マルウェア対策を無効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
セーフモードを有効にするを実行してください。
セーフモードでWindowsを起動してください。
セーフモードはWindowsの必要最低限の基本機能だけで起動します。拡張機能のエラーが原因でしたら、セーフモードで起動することで無効化できます。
詳しい作業手順は Windows11が起動しない時のセーフモードでの起動方法 でご確認ください。*Windows10でも操作方法は同じです。
ちなみに、Windows11の起動に3回失敗すると「自動修復を準備しています」画面になります。その続きから「スタートアップ設定」内の「セーフモードを有効にする」を選んでスタートです。この「スタートアップ設定」が回復ドライブにないため、こちらの作業で回復ドライブは使いません。
Windows11サインインしてもデスクトップ画面まで進まないトラブルの事例研究
こちらの記事はサインイン画面まで進むものの、正しいパスワードを入れても、サインイン画面から進まないというトラブルを直した事例です。
セーフモードで起動して、トラブルを起こしているプログラムを停止しました。
回復ドライブのシステムの復元(他の復元ポイント)を実行してください。
最後にシャットダウンした日と一致する復元ポイントがない場合は、その復元ポイントをお試しください。
Windowsのエラーと関係しない復元ポイントを選択しますと、悪化してしまう可能性もあります。そこで最後にシャットダウンした日と一致する復元ポイントがない場合は、”ドライバー署名の強制を無効にする”に進んでいただきました。
簡単にできる修復方法はすべてお試しいただきましたので、最後にシステムの復元をお試しください。