事例の要約:BitLockerループとACPI BIOS ERROR
- 症状:BitLocker回復キーを入力しても、停止コード「ACPI BIOS ERROR」のブルースクリーンになり再起動ループする。
- 原因:パソコン部品(ハードウェア)の一時的な誤作動。Windowsシステム(ソフトウェア)の破損ではない。
- 診断:正常な「回復ドライブ」から起動させても同じエラーが発生したため、Windowsではなく部品側のトラブルと特定。
- 解決策:PCからバッテリーを取り外しての「完全放電」。内蔵バッテリーで外せない場合は、電源を入れて電池切れまで放置する。
- 注意点:この放電処置でも改善しない場合は、一時的な誤作動ではなく「部品故障」の可能性が高い。
本記事は、BitLocker回復キーを入力しても「ACPI BIOS ERROR」などのブルースクリーンが表示され、再起動ループに陥ってしまったパソコンの修復事例です。
正しいキーを入力して認証を通っても、直後にエラーで落ちてまた元の画面に戻ってしまう…。お客様は「もう壊れてしまったのではないか」と非常に不安になられていました。しかし、プロが詳しく診断した結果、これはWindowsシステムの故障ではなく、「パソコン部品の一時的な誤作動」であることが判明しました。
結果として、高額な部品交換を行わず、バッテリーを外して電気を抜く「放電」という処置だけで完全復活しました。なぜそのように診断できたのか、具体的な症状と解決プロセスをレポートします。
更新理由:2026年01月27日
修理内容はそのままで、注意点などを追記&手順書ではなく、実績ということが明確になる表現をAIで編集(ドキュメンタリー化)しました。
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Author : 齋藤 実
こんにちは!秋葉原で対面のパソコン修理を行っております。この記事は、実際の修理内容をもとにした「修理日誌」としての事例紹介です。「これなら自分で切り分けできそうか」、それとも「修理に出したほうが良さそうか」。その判断材料として、この実録が役立ったなら幸いです。
ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。情報セキュリティマネジメント試験(国家試験)合格。
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プロの診断:なぜ「Windowsの故障」ではなく「部品の誤作動」と判断したのか
今回、お客様からお預かりしたパソコンは、「BitLocker回復キーを入力しても、青いエラー画面になって再起動してしまう。それが延々と繰り返される」という症状でした。
一見するとWindowsが壊れてしまったように見えますが、私たちは以下の3つの点から「Windowsソフトの故障ではなく、パソコン部品(ハードウェア)の一時的な誤作動」と診断しました。
根拠1:停止コードが「ACPI BIOS ERROR」だった
青いエラー画面(ブルースクリーン)の下部に表示される停止コードが「ACPI BIOS ERROR」でした。これはWindowsの中身ではなく、パソコンの機械そのものを制御するBIOS(バイオス)や部品の通信エラーを示唆しています。
根拠2:メンテナンス用のUSB(回復ドライブ)でも起動しなかった
パソコンの中に入っているWindowsを使わず、正常な「回復ドライブ(メンテナンス用USB)」を使って起動を試みました。しかし、それでも同じ「ACPI BIOS ERROR」が出て再起動してしまいました。正常なUSBでも起動できないということは、パソコン本体側に異常があると断定できます。
根拠3:BitLocker画面のメッセージが「セキュアブートポリシー」の変更だった
表示されていたBitLocker入力画面には、「セキュアブートポリシーが予期せずに変更されたため…」と書かれていました。これは、パソコンが「部品構成が変わった?」「何か誤作動した?」と検知した時に、セキュリティ確認のために出る画面です。
つまり、Windowsを直すための入力画面ではなく、部品の誤作動を確認するための入力画面だったのです。
修復レポート:放電処置による解決の流れ
診断の結果、部品の一時的な誤作動(パニック状態)である可能性が高まりました。そこで、修理作業として「放電」を行いました。
無限ループの状況確認
作業前の確認では、以下のループから抜け出せない状態でした。
- 電源を入れる。
- BitLocker回復キーを入力して認証を通過する。
- 直後にブルースクリーン(ACPI BIOS ERROR)が発生。
- 勝手に再起動し、またBitLocker入力画面に戻る。
正しいキーを入れてもエラーになるため、お客様ご自身ではどうにもできない状態でした。
実施した処置:バッテリーを外しての完全放電
今回のパソコンはバッテリー内蔵型だったため、裏蓋を分解し、バッテリーを取り外しました。この状態で数分間放置し、パソコン内部に残っている微弱な電気を完全に逃がしました(放電)。
この「放電」により、部品の誤作動情報がリセットされます。再度バッテリーを繋いで電源を入れたところ、嘘のようにエラーが消え、正常にWindowsが起動しました。
ご自身で試す場合:バッテリーが外せない時は?
最近のノートパソコンは分解が難しく、バッテリーを簡単に外せません。無理に分解すると故障の原因になります。
その場合は、「ACアダプタを抜き、電源を入れたまま放置して、電池切れにする」という方法で代用できます。スマホの充電などをUSBで繋いでおくと、早く電池を使い切ることができます。完全に電源が落ちた状態で数時間休ませれば、放電と同じ効果が期待できます。
もし、この放電を行っても症状が改善しない(ループし続ける)場合は、一時的な誤作動ではなく、マザーボードやメモリといった重要部品が物理的に故障していると判断できます。その際は、専門の修理が必要になります。
プロからの補足アドバイス
- 放電でデータは消えません
今回の「放電」作業は、あくまで部品に残った余分な電気を抜いて誤作動をリセットするだけです。ハードディスクやSSDに保存されている写真・文書データが消えることはありませんので、安心してお試しください。 - 分解不要な「リセット穴」があるかも?
一部のビジネス用ノートパソコン(Lenovo ThinkPadなど)には、底面に「緊急リセットホール(針で押す小さな穴)」がついている場合があります。ここをクリップ等で押すだけで、分解せずにバッテリーを外したのと同じリセット効果が得られます。分解作業の前に、一度底面を確認してみてください。