オレンジセキュアサービス株式会社

0xc00000e9ループでWindowsが起動しないトラブルを放電で解決した事例研究

Windowsブートマネージャーのエラーを放電で解決!

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今回は、エラーコード:0xc00000e9というWindowsブートマネージャーのエラーを”放電”で解決した事例研究です。

Windowsというソフトのエラーではなく、パソコン部品というハードのエラーがその原因でした。ちなみに、パソコン部品のエラーは”恒久的な誤作動”と”一時的な誤作動”に分類できます。

恒久的な誤作動は、ずっと誤作動しておりますので、つまり部品故障です。その部品を交換しない限り、パソコンは起動できません。

一時的な誤作動は、今だけ誤作動しておりまして、パソコン部品をシャットダウンさせるだけで解決できます。部品を交換しなくても、再び正常に動作するようになります。

今回は一時的な誤作動でしたので、放電することでパソコン部品をシャットダウンさせて無事に起動するようになりました。

ちなみに、こちらはあるある話になりますが、放電で本当にWindows起動トラブルが直りますか?というお問い合わせがあります。そんなアナログ的な方法で解決できるのかな?と思われても不思議ではありません。

しかしながら、放電で解決できるWindows起動トラブルが一定数ありまして、お困りの際はぜひお試しください。

それでは0xc00000e9ループでWindowsが起動しないトラブルの原因をどのように調査して、解決していったのかを以下の構成でレポートします。

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作者の齋藤実の顔写真

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秋葉原で対面のパソコン修理(2023年6月で15周年を迎えることができました)をしておりまして、Windows起動トラブルをどのように調査して解決したのか、という過程を中心に、事例研究としてレポートしております。

いま起きておりますそのWindows起動トラブルは、このページの修復方法で直るかもしれません。注意点なども含めてレポートしておりまして、この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

0xc00000e9ループを解決したポイント

0xc00000e9の画像

このページでは当社の実績ブログ 予期しないI/Oエラーが発生しました。青い画面で停止して、Windowsが起動しないトラブルの修復事例 をテーマに、どのように原因を調査して、トラブルを解決していったのかという過程を事例研究としてレポートしています。

そして、まずは今回のポイントをまとめたいと思います。

回復ドライブからも起動できなかった

今回、データがとても重要ということと、I/Oエラーというキーワードがありまして、最初にハードディスクに故障がないかを確認しました。

Windows To GoをベースにしたUSBメモリにS.M.A.R.T(ハードディスクの健康状態)を調べるソフトを入れてありまして、そのUSBメモリから起動しましたところ、こちらもエラーコード:0xc00000e9になりました。

念のため、Windows10で作成した回復ドライブと、Windows11で作成した回復ドライブを試してみても、エラーコード:0xc00000e9になりました。

当方で作成してあるWindows To Goも回復ドライブも他のパソコンでしたら通常通り起動します。つまり、ソフトは正常ですので、エラーを起こしている原因はパソコン部品側にあります。

パソコン部品のエラーは”恒久的な誤作動”と”一時的な誤作動”に分類できます。

そして放電などでリセットしても改善しない場合は”一時的な誤作動”ではなく、”恒久的な誤作動”(部品故障)と切り分けできます。

ハードディスクを取り外した状態(データがとても重要なためです)で放電のテストを行ってみました。それだけでエラーコード:0xc00000e9が解消されましたので、ハードディスクを取り付けました。その後は何事もなかったかのようにすんなりと起動するようになりました。

WindowsブルースクリーンとBitLocker回復ループを放電で解決した事例研究

こちらの事例研究は、パソコンの電源を入れるとブルースクリーンのエラーコードACPI BIOS ERRORが表示されていました。回復ドライブから起動したときもブルースクリーンのエラーコードACPI BIOS ERRORが表示されていました。放電で解決しました。

Windows起動時のエラーコードと回復ドライブ起動時のエラーコードが同じ場合は、一時的な誤作動の可能性が高そうです。

ちなみに、一時的な誤作動をすると、必ずエラーコード:0xc00000e9になるわけではありません。誤作動をしている電子回路によって症状が変化します。

一時的な誤作動の解決策について補足

今回は放電で改善しましたので、その他の作業は行っておりません。

もし放電で解決できなかったとしましたら、次にパソコン部品の設定をリセットしました。具体的には、Secure Bootのリセットです。

*パソコン部品の設定にエラーがあって誤作動する場合は、パソコン部品の設定をリセットすることで正常に動作します。Secure Bootのリセットは、そのようなパソコン部品の設定をリセットする作業になります。

ちなみに、Secure Boot Keysをクリアできるモデルでしたら、クリアすることでリセットできます。Secure Boot Keysの項目がなく、クリアできないモデルでしたら、Secure Bootをオフにすることでクリアできます。

放電やパソコン部品の設定リセットで改善する場合は、一時的な誤作動が理由でして、あくまでも故障ではないため、パソコン部品を交換しないでも正常に動作するようになります。

「Recovery」青い画面で停止してWindowsが起動しないトラブルをSecure Bootのリセットで直した事例研究

エラーコード:0xc00000e9はWindowsブートマネージャーのエラーなのですが、「Recovery」青い画面もWindowsブートマネージャーのエラーでして、こちらのケースではSecure Bootをリセットしまして無事に起動するようになりました。

ちなみに、回復ドライブから起動できない、という今回と一緒の現象もありました。

なぜ一時的な誤作動が起きるのでしょうか?

最近のノートパソコンは、バッテリー内蔵型が主流でして、ネジをすべて外して分解しないと放電できません。一時的な誤作動を予防したいと思われて当然です。

なぜ一時的な誤作動が起きるのでしょうか?というご質問は、そのような一時的な誤作動を予防したい、ということが含まれているのではないでしょうか。

しかし、パソコンの取扱いで予防することができないというのが実際のところでして、私の使っているパソコンでも一時的な誤作動を予防することはできません。

ただ頻発するようなことはありません。部品故障もそうですが、パソコンを使う上で起こりうるトラブルのひとつとお考え下さい。

ちなみに、放電で解決するような一時的な誤作動は昔からあります。電子回路がまったくの別物にならない限り、品質として良くなっていってもゼロにはならないと思います。

実際に0xc00000e9ループを解決した手順について

パソコンの電源を入れますと、エラーコード:0xc00000e9というWindowsブートマネージャーのエラー画面が表示されました。

Windowsブートマネージャーのエラーは、回復ドライブからしかメンテナンスできません。メンテナンスされるときは、回復ドライブを作成してください。回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。

回復ドライブの作り方や起動方法は Windows11Windows10 でご確認ください。

実際の調査方法

データがとても重要ということと、I/Oエラーというキーワードがありまして、最初にハードディスクに故障がないかを確認しました。

USBからの起動している画像
このページの画像は当社のパソコンの画像でしてイメージです(お客様のパソコンを撮影することはありません)。

こちらもエラーコード:0xc00000e9になりました。

念のため、Windows10で作成した回復ドライブと、Windows11で作成した回復ドライブを試してみても、エラーコード:0xc00000e9になりました。

回復ドライブは正常ですから、ソフトのエラーではなく、部品のエラーと切り分けできます。

まずは放電を試しました。放電の詳しい手順は、Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い? をご確認ください。

放電している画像
放電は、電源ケーブル、バッテリー、ボタン電池、メモリ、SSD、ハードディスクを抜き差しして、一時的な誤作動を解消します。

データがとても重要ということで、ハードディスクだけ外した状態で、回復ドライブから起動してみます。

USBからの起動している画像
放電完了後に再び回復ドライブから起動しました。

エラーコード:0xc00000e9にはならず、メンテナンス画面にたどり着けました。一時的な誤作動ということがわかりましたので、電源オフしてハードディスクを取り付けました。

電源オンしまして、Windowsが無事に起動することを確認しました。