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自動修復を準備していますをコマンドプロンプト”chkdsk c: /f”で修復した事例研究

自動修復を準備していますをコマンドプロンプト”chkdsk c: /f”で解決!

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今回は”自動修復を準備しています”がすぐに終わり、”自動修復でPCを修復できませんでした”画面になってしまうという、Windows起動トラブルをコマンドプロンプト”chkdsk c: /f”で修復した事例研究になります。

具体的な症状としましては、パソコンの電源を入れますと”自動修復を準備しています”、”PCを診断中”と、メッセージが変わりますが、メンテナンス作業がはじまらず、すぐに”自動修復でPCを修復できませんでした”画面になってしまうというものでした。

さらにお客様のほうで、”更新プログラムのアンインストール”と”システムの復元”を試されたところ、エラーメッセージが表示されてメンテナンスができなかったということです。

そんなメンテナンスがはじまらない、メンテナンスができないという厄介な症状でしたが、コマンドプロンプトの”chkdsk c: /f”で簡単に修復することができました。*検査の時間も含めましてトータル10分で直りました。

ちなみに、”chkdsk c: /f”はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。自動修復では直らないWindows起動トラブルが起きたときはぜひぜひお試しください。

それでは自動修復を準備していますをコマンドプロンプトで修復した事例研究を以下の構成でレポートします。

  1. 今回のWindows起動トラブルのポイントについて
  2. 自動修復を準備していますでWindowsが起動しないトラブルの調査方法
  3. ”chkdsk c: /f”の注意点について
  4. Windows起動トラブルでお困りの時は…

*この記事は 当社実績ブログ の記事を事例研究としてレポートしています。たとえば、実績ブログは放電で解決できるような、作業難易度が簡単で誰でも試せるものを”どうやって修復した”という結果だけレポートしています。そしてこの記事では、どのようにトラブルを調査して解決したという過程を中心に、パソコンが苦手な方でも試せるようにレポートしています。

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作者の齋藤実の顔写真

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私は、パソコン修理を中心としたITサポートを秋葉原のオレンジセキュアサービス(2023年6月で15周年を迎えることができました)で行っております。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

今回のWindows起動トラブルのポイントについて

自動修復でPCを修復できませんでした画面の写真

このページでは当社の実績ブログ 自動修復を準備していますになってWindowsが起動しないトラブルの修復事例 をテーマに、どのように原因を調査して、トラブルを解決していったのかという過程をレポートします。

そして今回のポイントとしましては、”現象と原因が一致しないトラブル”だったということと、”ファイルシステムのエラー”が原因だったということです。

現象と原因が一致しないトラブル

お客様よりトラブルの起きた状況をお伺いしましたところ、”更新してシャットダウン”を行った後で起きたWindows起動トラブルということでした。

更新してシャットダウンはWindows Updateが配信されたときに表示されるメニューです。つまり、更新してシャットダウン後のトラブルでしたら、Windows Update失敗ということが推測できます。

この Windows起動トラブル事例研究 シリーズの記事でも、Windows Update失敗のトラブルをたびたびレポートしておりまして、お客様のほうで”更新プログラムのアンインストール”と”システムの復元”を試されたとのことです。

Windows Update失敗のトラブルでしたら、”更新プログラムのアンインストール”または”システムの復元”で修復できます。ところが、エラーメッセージが表示されて、メンテナンスができなかったということです。

実は、Windows Update失敗が原因ではなく、Windows Updateが起因しておきたというWindows Updateとは関係しないところにエラーが起きていました。そのため、修復方法もまったく違うものでした。

ちなみに、ソフトウェアをインストールしたらWindows11が起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究 でもレポートしておりますが、現象と原因が一致しないトラブルは珍しくありません。セオリー通りの修復方法を試しても改善しないときは、現象と原因が一致しないトラブルが起きていると疑ってみてください。

実は、ファイルシステムのエラーが原因でした

ファイルシステムというプログラムやデータなどの情報を管理する仕組みのエラーが、今回のWindows起動トラブルを起こしている原因でした。

ちなみに、ディスクのエラーを確認していますをコマンドプロンプトで修復した事例研究 も同じく、ファイルシステムのエラーが原因のWindows起動トラブルでした。しかしながら、同じファイルシステムのエラーといっても、エラーが起きているエリアやエラーの程度で、その症状はまちまちです。

今回は、ファイルシステムの入口にエラーが起きており、Cドライブへのアクセスができない状況でした。そして、アクセスができないため、メンテナンスがはじまらない、メンテナンスができないという厄介な症状を起こしていました。

ファイルシステムのエラーは想定されているトラブルのひとつでして、修復するためのコマンドが準備されています。それが”chkdsk c: /f”です。厄介な症状でしたが、このコマンドで簡単に直りました。

自動修復を準備していますでWindowsが起動しないトラブルの調査方法

お客様のほうで”更新プログラムのアンインストール”と”システムの復元”を試されましたが、エラーメッセージが表示されて、メンテナンス作業ができなかったということです。

メンテナンスのプログラムにもエラーが起きていて、メンテナンスができなかったという可能性もあります。そこで回復ドライブを使ってメンテナンスを行っていきます。

回復ドライブとは、USBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。回復ドライブのプログラムは正常ですから、プログラムのエラーを切り分けできます。

回復ドライブの作り方や起動方法は Windows11Windows10 でご確認ください。

実際の調査方法

”エラーメッセージが表示されて、メンテナンス作業ができなかった”ということでしたので、状況をひとつずつ点検していきます。まずはコマンドプロンプト画面を開きまして、「dir c:\ /a」でCドライブの状況を確認してみます。

コマンドプロンプトでdir c:\ /aの画面
このページの画像は当社のパソコンの画像でしてイメージです(お客様のパソコンを撮影することはありません)。

通常ですと、上の画像の通りCドライブに保存されているファイルやフォルダが表示されるのですが、”ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません。”エラーメッセージが表示され、Cドライブの情報が表示されませんでした。

この”ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません。”エラーメッセージは、ファイルシステムの入口からエラーがある場合に表示されます。

ファイルシステムのエラーは想定されているトラブルのひとつでして、「chkdsk c: /f」コマンドを行い修復しました。「dir c:\ /a」でCドライブが表示されることを確認してから、再起動してWindowsが起動することを確認しました。

chkdsk c: /fの画面

補足

「dir c:\ /a」でCドライブの状況を確認しましたところ、”ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません。”エラーメッセージが表示され、Cドライブの情報が表示されませんでした。

つまり、Cドライブにアクセスできないために、”更新プログラムのアンインストール”と”システムの復元”ができなかったということです。*Cドライブにアクセスできなければ、Windowsの初期化(このPCを初期状態に戻すメニュー)といったメンテナンス全般できません。

これがメンテナンスがはじまらない、メンテナンスができないという厄介な症状の真相です。

”chkdsk c: /f”の注意点について

”chkdsk c: /f”はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。

しかしながら、ハードディスク(SSD)に故障がありますと、電源を入れているだけでも悪化してしまい、データを壊してしまう恐れもあります。データが重要な場合のみ、以下のことにご注意ください。

ハードディスク(SSD)に故障がありますと、弱っていますので”作業に時間がかかります”というのがポイントになります。

もし”chkdsk c: /f”の作業が30分以上かかる場合は、ハードディスク(SSD)故障の可能性も出てきます。データが重要な場合のみ、データを壊してしまう恐れもありまして、長時間の作業にならないよう強制終了して休ませてください。

ちなみに、2015年以降のパソコンでしたら、一般的なスペックでも”chkdsk c: /f”で30分もかかりません。実際のところとしましては、10分以上も待つようでしたら異常かと思います。