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BitLocker回復キーを入力しても、更新プログラムのアンインストールがエラーになるときの原因と対処法

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今回のWindows起動トラブルの概要について

”更新してシャットダウン”をクリックした後から、ブルースクリーンと自動修復のループになるといった、Windows起動トラブルになってしまいました。

更新してシャットダウンはWindowsアップデートということで、更新プログラムのアンインストールを行いましたがエラーで実行できませんでした。

ちなみに、更新プログラムのアンインストールは、Windowsアップデートでトラブルが起きてしまったときのために準備されています。

正しいBitLocker回復キーを入力しても、更新プログラムのアンインストールがエラーになるのですがどうすれば良いでしょう?というご相談を受けることもありまして、その対処法が今回のテーマになります。

それでは以下の構成で、BitLocker回復キーを入力しても、更新プログラムのアンインストールがエラーになるときの原因と対処法をレポートします。

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この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。

秋葉原で対面のパソコン修理(2023年6月で15周年を迎えることができました)をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

BitLocker回復キーを入力しても、更新プログラムのアンインストールがエラーになるときの原因

更新してシャットダウンの画像
Windowsアップデートの準備が完了しますと、”更新してシャットダウン”が電源メニューに表示されます。

”更新してシャットダウン”をクリックしますと、Windowsアップデートのインストールがはじまります。

もし更新してシャットダウンをクリックした後から、ブルースクリーンといったWindows起動トラブルになってしまった場合は、Windowsアップデートがその原因と判断できます。

そのようなWindowsアップデートでトラブルが起きたときのために、Windowsのメンテナンスメニューに”更新プログラムのアンインストール”が準備されています。

詳細オプション画面にある更新プログラムのアンインストールボタンの画像

もちろん、Windowsアップデートが原因ではないトラブルで、更新プログラムのアンインストールを行っても症状は改善しません。しかし、Windowsアップデートをアンインストールするだけの機能でして、エラーになって実行されない、というのは異常です。

*更新プログラムのアンインストールは実行されて当然の機能です。

ちなみに、更新プログラムのアンインストールには、”最新の品質更新プログラムをアンインストールする”と”最新の機能更新プログラムをアンインストールする”の2つのメニューがあり、どちらか片方がエラーになるのは正常です。

”最新の品質更新プログラムをアンインストールする”と”最新の機能更新プログラムをアンインストールする”のボタンの画像
”最新の機能更新プログラムをアンインストールする”のほうは、年に1回しか配信されないため、11か月の間はエラーになります(アンインストールができる有効期間が1か月間のため)。

もし”最新の品質更新プログラムをアンインストールする”と”最新の機能更新プログラムをアンインストールする”の両方がエラーで実行できない場合は、Windowsアップデートのデータベースにアクセスできていないのがその原因です。

Windowsアップデートのデータベースにアクセスできなければ、何をインストールしたのか把握できず、アンインストールもできません。そのためエラーになります。

そしてWindowsアップデートのデータベースにアクセスできない原因は以下の3件になります。

  • BitLocker回復キーの入力をスキップしている
  • ファイルシステムのエラー
  • データベースのエラー

この後で、それぞれの対処法についてレポートします。

対処法1:回復キーの入力画面が表示されたときは毎回入力する

BitLocker回復キーの入力画面の画像
BitLocker回復キーの入力画面が表示されたときは、スキップせずに、毎回必ずご入力ください。

パソコンの修理でよく聞く話としまして、回復キーを毎回入力するのが面倒だったので、入力せずに”このドライブをスキップする”から次に進んでいた、というケースが多いです。

”このドライブをスキップする”から次に進んでしまいますと、BitLockerの暗号化が解除されません。

BitLockerは暗号化でして、回復キーを入力して解除しないと、Windowsアップデートのデータベースにアクセスできないため、更新プログラムのアンインストールは実行されずにエラーになります。

ちなみに、コマンドの操作でBitLockerをオフにすることはできるのですが、回復キーを入力しただけではオフになりません。あくまでも一時的に解除されるだけです。

表現を変えますと、1度だけ回復キーを入力すれば、その後は回復キーの入力が不要になるわけではありません(BitLockerがオフになるというわけではありません)。回復キーを入力した時だけ、一時的に解除されます。

BitLocker回復キーの入力画面が表示されたときは毎回入力してください。入力しても更新プログラムのアンインストールがエラーになる場合は、次の対処法2にお進みください。

対処法2:コマンドプロンプトでchkdskを実行する

コマンドプロンプトでchkdsk c: /fの画像
コマンドプロンプトで”chkdsk c:¥ /f”と入力して、Enterキーを押してください。

ファイルシステムとは、データやプログラムといったファイルを管理する仕組みになります。

ファイルシステムにエラーがありますと、たとえば、データやプログラムにアクセスできなくなります。Windowsアップデートのデータベースにアクセスできなければ、更新プログラムのアンインストールは実行されずにエラーになります。

ファイルシステムのエラーは想定されているエラーのひとつでして、直すコマンドが準備されております。それがコマンドプロンプトの”chkdsk c:¥ /f”です。

自動修復を準備していますをコマンドプロンプト”chkdsk c: /f”で修復した事例研究

こちらの記事は実際に”chkdsk c:¥ /f”で、Windows起動トラブルを直した事例です。

お客様のほうで”更新プログラムのアンインストール”を試されたところ、エラーメッセージが表示されてメンテナンスができなかったということです。ファイルシステムのエラーが原因でしたので、”chkdsk c:¥ /f”で直りました。

ちなみに、”chkdsk c:¥ /f”はファイルシステムのエラーだけを直すコマンドです。悪化させてしまう心配がないため、気軽に試していただいて問題ありません。

もし”chkdsk c:¥ /f”の後でも、更新プログラムのアンインストールがエラーになる場合は、次の対処法3にお進みください。

対処法3:その他のメンテナンスを試される

コマンドプロンプトでdism /image:c: /get-packagesの画像
コマンドプロンプトで”dism /image:c:¥ /get-packages”と入力して、Enterキーを押しますと、この画像のようなWindowsアップデートの更新履歴が確認できます。

Windowsアップデートのデータベースをコマンドプロンプトの”dism”で操作できます。

ちなみに、”dism /image:c:¥ /get-packages”と入力して、Enterキーを押しますと、Windowsアップデートのデータベースへアクセスして更新履歴が表示されます。

もし正しいBitLocker回復キーを入力していて、ファイルシステムが正常でも(chkdsk c:¥ /f済みでも)、Windowsアップデートの更新履歴が表示されない場合は、データベースが壊れてしまっています。

壊れてしまったデータベースを直すことができないため、その他のメンテナンスを試されて、Windows起動トラブルを直すことが次の解決方法になります。 自動修復でPCを修復できませんでしたでWindows11が起動しないときの修復方法 こちらの記事をお試しください。Windows起動トラブルの修復方法を包括的にレポートしております。