Windowsアップデートが原因のトラブルでした

このページでは当社の実績ブログ プリンターが使えずシステムの復元を試したらWindowsが起動しなくなった修復事例 をテーマに、どのように原因を調査して、トラブルを解決していったのかという過程を事例研究としてレポートしています。
目に見える不具合は、印刷ができない、のみでして他に異常はなかったという、とても軽微に思えるトラブルでしたが、実は、重症なWindowsエラーが起因したトラブルでした。
症状としましては、理由もなくある日突然、印刷ができなくなり、プリンターのアプリを確認すると、異常はなかったということです。
たとえば、アプリからプリンターが認識できない(オフラインになっている)、前回の印刷がエラーで止まっていて他の印刷も保留になっている、プリンターのアプリがエラーで開けない、といった異常はなかったということです。
またパソコンの使用中にフリーズしたり、Windowsのエラーメッセージが表示されるような異常は一切なく、ただただ印刷だけができない状況だったということです。
そしてプリンターのアプリを再インストールしても改善しなかったため、システムの復元を試してみたところ、Windows11が起動しなくなってしまったとのことです。
まとめ
1ヶ月前のWindowsアップデートで異常を確認できました。Windowsアップデートで重症なWindowsエラーが起きて、それが起因したトラブルでした。
Windowsアップデートのトラブルでして、更新プログラムのアンインストール(更新プログラムは、Windowsアップデートという意味です)で無事起動するようになりました。
ちなみに、今回のケースは印刷だけ不具合が起きましたが、場合によっては、Wi-Fiが切れてYouTubeの再生が止まってしまうなど症状の違うケースが起きていたことも考えられます。
印刷に限らず、ちょっとした軽度な症状のトラブルはあります。しかしながら、その原因が重症だったりすることもありまして、起動するWindowsの不具合をメンテナンスするときは、データのバックアップなどの備えを行ってから作業してください。
システムの復元の注意点について
回復ドライブに収録されております、更新プログラムのアンインストールを行ってWindowsが無事に起動するようになりました。そしてデスクトップ画面が表示されたときに、お客様のほうで試されたシステムの復元の完了画面が表示されました。
つまり、システムの復元が失敗したのではなく、システムの復元の処理途中で停止していた、ということがわかります。
そのため、もし他の復元ポイントも試されていたなら、処理が停止した上での変更になりますから、状況はかなり悪化していたでしょう。そうなってしまいますと、修復できるレベルではなくなってしまいます。
システムの復元はこのように悪化させてしまうリスクがありまして、システムの復元は最終手段と言いましょうか、更新プログラムのアンインストールでしたり他のメニューを行った上でお試しいただくのが得策かと思います。
印刷できず、システムの復元を行ったら、Windows11が起動しないトラブルの調査方法
お持ち込みいただいた段階としましては、パソコンの電源を入れますと、Windowsの起動を表現するアニメーションのクルクルマークがずっと回転して終わらないという症状でした。
まずは、いま起きているエラーを回復ドライブを使って修復していきます。
ちなみに、当社でWindowsのメンテナンスをするときは回復ドライブを使っています。たとえば、液晶ディスプレイの故障でシステムの復元を行ったら、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究 では、同じシステムの復元なのに、回復ドライブに収録されているシステムの復元でしたら直すことができました。成功率を上げるという意味で回復ドライブをオススメしております。
回復ドライブの作り方や起動方法は Windows11、Windows10 でご確認ください。回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
それとBitLocker回復画面になってしまう場合は、BitLocker回復キーが必要になります。見つけ方につきましては BitLocker回復キーを確認する方法 をご確認ください。
実際の調査方法
回復ドライブでの起動後にコマンドプロンプトの画面を開きましたら、まずは「dir c:¥ /a
」でCドライブを確認してみます。
今回のようなトラブルの起きているWindowsは、あれこれそれと異常が見つかるのですが、Cドライブの直下はまるでトラブルが起きているとは考えられないくらい正常なものでした。

「dir c:¥ /a
」に関しましては特別に得られる情報がなく、次に「dir c:¥windows¥system32¥config
」を確認しました。こちらはレジストリというWindowsのデータベースです。
一部のファイルが1か月前で停止していました。

レジストリの一部しか異常がない程度で、大きな被害(Windows起動トラブル)が起きているのは疑問が残ります。念のため、「chkdsk c: /f
」コマンドを使ってみました。
chkdskは部品を検査するコマンドではありませんが、部品故障がある場合は、進行などの動作が不安定になります。
chkdskの結果(ファイルシステムに異常なし)と、動作ともにOKでした。

簡易的な調べ方ではありましたが、今の段階で部品故障の疑いはないため、次の調査を行います。
レジストリが停止する主な理由は、Windowsアップデートです。そのため、次にWindowsアップデートの記録を確認しました。Windowsアップデートの履歴は、このコマンド「dism /image:c:¥ /get-packages
」で確認できます。
レジストリとタイムスタンプが一致する履歴がありました。しかし唯一の手がかりなのですが、インストールが正常に完了しておりまして、Windowsアップデートにエラーなどの異常は見つかりませんでした。

それでもレジストリが停止しているのは異常でして、タイムスタンプが一致するWindowsアップデートの履歴があるのも事実です。まずは、ここを修正していきます。
ちなみに、Windowsアップデートでエラーなどの異常が起きている場合は、dismコマンドを使って個々に削除していきます。しかし、異常はなかったため、”更新プログラムのアンインストール”メニューから、Windowsアップデート(更新プログラム)を削除(アンインストール)しました。
ちなみに、回復ドライブを使った更新プログラムのアンインストールの作業手順は、Windows11回復ドライブを使った更新プログラムのアンインストールの方法 でご確認ください。

再起動しまして、Windowsが無事に起動することを確認しました。
セーフモードで起動できる場合は、Windowsのシステム構成アプリのツールを使って、いろいろとエラーの原因を調査できます。しかし、起動できない場合は、追っかけできる情報に限りがあります。そして今回は、唯一の手がかり(レジストリの停止)から、Windows起動トラブルを修復できました。