オレンジセキュアサービス株式会社

BitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動せずループするときの対処法

BitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動しません……

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当社のホームページ記事でしたり、公式YouTubeチャンネルを見ながら、BitLocker回復キーは入手できたのですが……入力してもWindowsが起動できずBitLocker回復キー入力画面がループします。

このようなお問い合わせやコメントを受けることもありまして、今回はその解決方法がテーマになります。

ちなみに、同じBitLocker回復キー入力画面ループでも、Windowsが起動する場合は原因が違います。このページの対処法は試さないでください。

それではBitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動せずループするときの対処法を以下の構成でレポートします。

  1. BitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動せずループする原因
  2. なぜWindowsのエラーが原因なのでしょうか?
  3. BitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動せずループするときの対処法
  4. 万が一、お困りの時は…

*この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。秋葉原で対面のパソコン修理をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。

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私は、パソコン修理を中心としたITサポートを秋葉原のオレンジセキュアサービス(2023年6月で15周年を迎えることができました)で行っております。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

BitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動せずループする原因

BitLocker 回復キーを求めている画面の画像です

当社の公式YouTubeチャンネルのコメントを確認してみますと、BitLocker回復キーを入手されて、無事、Windowsが起動して解決できているケースが圧倒的に多いです。

このケースはセキュリティ上の認証でBitLocker回復キーの入力を求めてきておりまして、認証されれば問題なくWindowsが起動します。また一度認証されれば、BitLocker回復キー入力画面がループすることもありません。

たとえば、こちらの画像は代表的な認証のケースになります。

BitLocker回復キーの入力画面

赤線箇所”セキュアブートポリシーが予期せずに変更されたため、回復キーを入力する必要があります”の意味としましては、BitLocker回復キーを入力することで、第三者に悪用されていないことを確認しますということです。セキュリティ上の認証を目的としています。

ちなみに、Windows UpdateでBIOSプログラムが更新されたり、パソコン使用中の突然の電源断後に、セキュリティ上の認証でBitLocker回復キーの入力を求めてきたりします。

通常は、そのようなセキュリティ上の認証でBitLocker回復キーの入力を求めてきます。そしてBitLocker回復キーを入力しますと、無事にWindowsが起動します。

ところが、正しいBitLocker回復キーを入力しても、Windowsが起動できずに、BitLocker回復キー入力画面がループしますという、YouTubeのコメントも一定数あります。

このようなBitLocker回復キーを入力しても、Windowsが起動しないケースは、Windowsのエラーが原因でして、メンテナンスが必要になります。*今回のテーマになります。

なぜWindowsのエラーが原因なのでしょうか?

認証を目的としてBitLocker回復キーを求めてくる場合は、上記電源断の他にも、BIOS設定の変更やハードウェアの変更など、その理由が多くあります。

なぜ?BitLocker回復キーを入力しても、Windowsが起動しないケースは、Windowsエラーに限定されるのでしょうか?

Windowsが起動しないケースでは、BitLocker回復キー入力画面の前に”自動修復を準備しています”メッセージが表示されます。この自動修復は、Windowsに深刻なエラーが発生しますと、自動ではじまるメンテナンスモードです。

その深刻なWindowsのエラーをメンテナンスするために、BitLocker回復キーを求めてきます。*BitLocker暗号化をBitLocker回復キーで解除しないとメンテナンスできないためです。

そしてWindowsのエラーが直るまで、メンテナンスモードで起動しますので、BitLocker回復キーの入力画面ループになります。

ちなみに、同じBitLocker回復キー入力画面ループでも、Windowsが起動するというケースもあります。Windowsのエラーとは関係しないところにその原因がありまして、このページの対処法は試さないでください。

BitLocker回復キーを入力してもWindowsが起動せずループするときの対処法

この作業の概要

パソコン部品に誤作動がありますと、Windowsは正常に動作できません。まずはパソコン部品のリセットから順番にメンテナンスを行ってください。

それでも改善しない場合は、スタートアップ修復をお試しください。*すべての作業を行うのではなく、改善しない場合に次の作業にお進みください。

ここでは回復ドライブを作成して使っています。作業の成功率を高めるためでして、32GB以下のUSBメモリをご準備ください。

それではWindows11/Windows10のエラーを直す修復方法をレポートします。すべての作業時間目安は6時間(通常は2時間以内)です。

  1. パソコン部品をリセットしてください。
  2. 回復ドライブを作ってください。
  3. 回復ドライブから起動してください。
  4. 回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
  5. 回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。
  6. 回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。
  7. 回復ドライブのシステムの復元を実行してください。

パソコン部品をリセットしてください。

放電でパソコン部品をリセットしている画像
放電でノートパソコンをリセットするときはバッテリーも外してください。

パソコン部品をリセットして、パソコン部品のエラーを改善してください。

Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、パソコンが到着したらトラブルが起きていないというケースが多い月ですと5%もあります。ちなみに、Windowsはメンテナンスしないとトラブルが直りませんし、パソコン部品の故障なら交換が必要です。当社への移動だけで症状が改善していることから、放電だけで解決するような一時的なエラーや誤作動は一定数あると言えます。

Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い?

一般論としまして、コンセントとバッテリー(ノートパソコン)を外すだけも放電作業になります。ただそれだけでは、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。

リンク先のページでは完全な放電をテーマに、パソコン修理で実際に行っているパソコン部品リセット方法を公開しています。

回復ドライブを作ってください。

回復ドライブを作っている画像
トラブルが起きる前に回復ドライブを準備していない場合は、正常に起動するパソコンでお作りください。

正常に起動するパソコンで回復ドライブを作ってください。

回復ドライブはUSBメモリで作成するWindows11のメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。

回復ドライブはWindows11とWindows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。

回復ドライブの作り方は Windows11Windows10 でご確認ください。

液晶ディスプレイの故障でシステムの復元を行ったら、Windowsが起動しなくなってしまったトラブルを直した事例研究

同じ”システムの復元”なのですが、回復ドライブから作業したことでWindows起動トラブルが解決した事例研究です。回復ドライブを使っていたなら直せたトラブルが、使っていないために直せなかった……にはならないよう、メンテナンスするときはぜひ回復ドライブをお使いください。

回復ドライブから起動してください。

回復ドライブから起動している画像

正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。

回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの「F12」を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブ優先で起動します。

その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC富士通東芝LenovoDELLHP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。

こちらは注意点になります。回復ドライブからの起動でも、5回以上クルクルマークが回転している場合は、ハードディスク故障の可能性もあります。原因の切り分け方法は、回復ドライブから起動できないときの原因と対処法 こちらの記事をご確認ください。

回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。

回復ドライブのスタートアップ修復を実行している画像

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかどうかご確認ください。

スタートアップ修復とは、Windowsが起動できない深刻なレベルのトラブルが発生したときのために準備されているメンテナンスのひとつです。スタートアップ修復のプログラムがエラーを自動で発見し修復してくれますので、パソコンが苦手な方でもクリックひとつで簡単にメンテナンスできます。

ちなみに、回復ドライブからの起動後に、「Microsoft IME」、「トラブルシューティング」とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に「スタートアップ修復」のボタンがあります。次に「Windows11」、「シャットダウン」とクリックして完了です。

詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。

回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。

回復ドライブのコマンドプロンプトの画面

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、「chkdsk c: /f」と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。

本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。

そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。

ただし、「chkdsk c: /f」はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。

Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究

こちらの記事は実際に「chkdsk c:¥ /f」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。ブルースクリーンなどのWindows起動トラブル全般で有効です。

回復ドライブの更新プログラムのアンインストールを実行してください。

回復ドライブの更新プログラムのアンインストールの画面

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、更新プログラムのアンインストールをクリックしてください。

更新プログラムのアンインストールとは Windows Update でインストールした更新プログラムをアンインストールするという機能です。アンインストールするだけの作業でして、この作業で状況が悪化してしまうことはありません。

更新プログラムのアンインストールには「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」と「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」があります。「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」は毎月配信される個々のプログラムです。「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」は年に1回配信されるバージョンアップです。

まずは「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」を実行してください。エラーになる場合は「最新の機能更新プログラムをアンインストールする」を実行してください。ちなみに、どちらか一方はエラーで実行できません。これは品質更新と機能更新を同じ月に行わないためです。

詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使った更新プログラムのアンインストールの方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。

システムの復元をしたらWindowsが起動しなくなったトラブルの事例研究

こちらの記事は、「システムの復元」を行ったらWindowsが起動しなくなってしまった……という、トラブルを「更新プログラムのアンインストール」で直した事例です。

システムの復元を行って状況が悪化することもありまして、システムの復元を行う前に更新プログラムのアンインストールを行ってください。*更新プログラムのアンインストールを行って状況が悪化することはありません。

回復ドライブのシステムの復元を実行してください。

回復ドライブのシステムの復元の画面

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、システムの復元をクリックしてください。

詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったシステムの復元の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。

システムの復元は復元ポイントというバックアップ時の状態にプログラムを戻します。エラーを起こす前の正常なプログラムに戻りますのでトラブルが解決するという仕組みです。注意点としましては、システムの復元は一部のプログラムしか戻さないため(すべてを戻すわけではないため)矛盾が生じてしまうこともあり、状況が悪化してしまうこともあります。

特に復元ポイントの日時とWindows起動トラブルが起きた日時に関連性がない場合は、トラブルとは関係しない余計な作業になってしまう可能性もあります。日付に関連性がない場合はこの作業を試さないほうが良いでしょう。その他注意点は システムの復元を実行する前に知ってほしい 10 のこと でご確認ください。

自動修復を準備していますループでWindowsが起動しないトラブルを直した事例研究

こちらの記事は実際に「システムの復元」でWindows Updateがらみの起動トラブルを直した事例です。システムの復元でしか直せないトラブルもあります。更新プログラムのアンインストールでも直らないWindows起動トラブルは、システムの復元をお試しください。