「 Missing operating system 」の原因と対処法
「 Missing operating system 」は、ハードディスクに記録された「設定情報」が壊れてしまったときに発生するトラブルのひとつです。そして具体的には、この「設定情報」で「アクティブ」がなくなってしまった時に発生します。
この画像のように 1 つのハードディスクを C ドライブ、D ドライブ、リカバリ領域などに分割することができます。そしてこのハードディスクの先頭にはリカバリ領域があります。画像の「 14.00GB 正常(回復パーテーション)」です。先頭にリカバリ領域があるものの電源ボタンを押しても Windows が起動します。これは「アクティブ」という設定情報があるためです。
ちなみに赤矢印の部分が「アクティブ」です。Windows7 からは、ここにブートマネージャ( bootmgr )という Windows を起動するためのファイルを置いています。パソコンの電源を入れると、パソコンが「アクティブ」を読み込み、そして Windows の起動プログラムへバトンタッチします。そこでもし「アクティブ」の情報がなくなってしまうと、パソコンはどこに Windows があるのかわからず、「 Missing operating system 」エラーになります。
その他ハードディスクがどのように分割されているか? その開始位置はどこからなのか? といった「設定情報」も記録されています。また「 Invalid partition table 」、「 Error loading operating system 」、「 Missing operating system 」といった起動時のエラーメッセージも「設定情報」として記録されています。
「 Missing operating system 」は、Windows プログラムが読み込まれるその前に起きるトラブルです。プログラムが読み込まれる前ですので、セーフモードで起動させることもできません。そして Windows に搭載されているトラブル解決ツールを使うこともできません。それではどのようにして「 Missing operating system 」エラーを解決するのでしょうか???
「 Missing operating system 」の処方箋としては、システム修復ディスク( DVD 版のスタートアップ修復)を作成して実行します。ちなみに Microsoft 社さんの情報によると、このツールで「ディスク メタデータの破損 (MBR、パーティション テーブル、およびブート セクター)」、「ファイル システム メタデータの破損」、「ブート構成データの破損」をチェックし修復してくれます。つまりこの DVD は「 2. 上記の設定情報」に発生したトラブルを直してくれます。
なお、システム修復ディスク( DVD 版のスタートアップ修復)は Windows7 です。Windows8 は回復ドライブ( USB 版の自動修復)になります。この記事では Windows7 で注意点などをレポートしますが、手順については Windows8 のリンクをその都度貼りますので、そちらのページから確認してください。
ちょっとしたトラブルが原因の場合も
「 Missing operating system 」エラーは Windows プログラムのエラーではありません。パソコン側がハードディスクの設定値を読み込んで動作しているだけの段階のトラブルであり、細かい分析の上でエラーを表示しているわけではありません。そこで誤検出と言いましょうか、アバウトと言いましょうか、エラーメッセージとはまったく関係しない、上記「アクティブ」ではないトラブルもあったりします。さらには、ほんのちょっとしたトラブルが原因の場合もあり、まずは以下の対処を行って、切り分けしてください。USB メモリを外すだけで改善することもあります。
パソコン周辺機器を取り外す
電源投入時に USB フロッピーディスクやハードディスク、メモリを接続しているとエラーになるトラブルもあります。そこでノートパソコンであれば、本体と電源のみの状態で起動を試してください。なお、デスクトップの場合は本体と電源、モニター、マウス、キーボードの状態で起動を試してください。
BIOS 設定を戻す
デスクトップ PC の場合は、パソコン筐体の中にハードディスクを増設できます。中に入っているため、周辺機器のように簡単に取り外せない場合もあります。そこで BIOS 設定を購入時の状態に戻します。戻し方については、使っているパソコンの取り扱い説明書やネットで確認するか、またはメーカーサポートで詳しく教えてくれます。
バックアップソフトの操作ミスの場合は…
バックアップソフトの操作ミスで… なんてこともあります。もともと「 Missing operating system 」は、「アクティブ」がなくなってしまった時に発生します。そしてバックアップソフトの引っ越し機能で、バックアップ先の新しいハードディスクへ「アクティブ」を移してしまい… もともとのハードディスクの「アクティブ」がなくなったなんてこともあります。
バックアップソフトの操作ミスが原因の場合は、ソフトウェアのサポートへお問い合わせください。製品によっては、そのソフトウェアの機能を使って手動で「アクティブ」をマークすることができるものもあります。マークすれば無事復活します。
システム修復ディスクの作り方と注意点
Windows7 は、空の DVD を使って「システム修復ディスク」を作成します。なお、修復するマシンでシステム修復ディスクを作成することはできませんが、違うマシンで作成することはできます。職場内や家族のパソコンでシステム修復ディスクを作り、修復を試すことができます。ちなみに Windows8 は USB になります(作り方の手順は Windows8 回復ドライブの作り方 で)。
できれば同じ機種のパソコンで作ってください。もし同じ機種がない場合は裏ワザになりますが、別の機種のパソコンで作ります。ちなみに、お使いの機種によってはリカバリディスクでしか修復作業できないなど特殊な場合もあります。うまくいかないときはお使いのパソコンメーカーさんに確認してください。
システム修復ディスクの作り方
「スタート」ボタンをクリックし、「すべてのプログラム」をクリックします。「システム」フォルダをクリックし、「システム修復ディスクの作成」をクリックします。
「システム修復ディスクの作成」画面が表示されたら、DVD を入れて「ディスクの作成(R)」をクリックします。
同じ機種のパソコンで作った場合は間違えありませんが、別の機種のパソコンで作った場合は、32bit 版と 64bit 版に気をつけてください。 32bit のパソコンには 32bit の Windows7 で作成した「システム修復ディスク」を使います。
ちなみに、レノボ社製のパソコンで作成した「システム修復ディスク」を acer 社製パソコンで使用したところ問題ありませんでした。違うメーカーのパソコンでも Windows7 同士で同じ bit なら使えます。ただし、パソコンによっては最新の「GPT」の場合もあります。こちらはちょっと仕組みが違います。もしエラーが起きるなどで修復作業ができない場合は、お使いのパソコンメーカーさんに聞いてください。リカバリディスクでしか作業できない機種があるなど特殊なケースもあります。
「 Missing operating system 」の対処法
「 Missing operating system 」はハードディスクの設定情報のトラブルです。設定だけのトラブルのため、数分程度の自動処理で直ります。ところがハードディスク故障が原因で「設定情報」が壊れ、「 Missing operating system 」が発生している場合もあります。修復に 1 時間かかる、修復途中で停止する、再起動する場合はハードディスク故障と考えて間違いありません。どんどん悪化させてしまう恐れもあるので注意深く見てください。修復作業前に 不良セクタとは? その注意点も こちらも読んでください。ハードディスクの末期症状をレポートしています。
なお、Windows8 は、 Windows8 回復ドライブの使い方 で手順を確認してください。
システム修復ディスクからの修復方法
システム修復ディスクの DVD からパソコンを起動します。DVD からの起動方法がわからない場合やエラーがでる場合は、お使いのパソコンメーカーさんに確認してください。特殊なケースもあります。
この画面になったら「日本語(日本)」を選択し、「Next」ボタンをクリックします。
この「システム回復オプション」画面が表示されたら終わるまで待ちます。
数分のうちに「スタートアップ オプションに問題が見つかりました。修復を適用してコンピューターを再起動しますか?」画面が表示され、完了します。「修復して再起動する」ボタンをクリックし、再起動してください。これで元通り起動するようになります。