今回のWindows起動トラブルのポイントについて

詳細をレポートする前に、ポイントを押さえておいたほうが作業内容を理解しやすいかと思いまして、今回のWindows起動トラブルのポイントについてまとめたいと思います。
今回のWindows起動トラブルのポイントとしましては、回復ドライブから起動した画面に”トラブルシューティング”と”PCの電源を切る”の2つのボタンしかありませんでした。その他に異常はありませんでした。
このボタンの数が少ない(多い場合も同じく)症状は、Windows Boot Managerにエラーがありますと起こります。ちなみに、Windows Boot Managerとは、Windowsを起動するための仕組みです。
具体的には、パソコンの電源を入れますと、パソコン部品が動き出して、Windowsにバトンタッチします。Windows Boot Managerにエラーがありますと、パソコン部品はWindowsにバトンタッチができません。
今回はそのような理由で、パソコン部品の管理画面でありますBIOS画面が表示されていました。
Windows Boot Managerエラーの直し方について
一般の方でも安全に試せるWindows Boot Managerエラーのメンテナンス方法は、回復ドライブ収録のスタートアップ修復とコマンドプロンプトの”bootrec /rebuildbcd”です。作業方法の詳細は Windows11/Windows10が起動しないBIOS画面で停止する原因と修復方法 の記事をご確認ください。
今回のように回復ドライブから起動した画面に”トラブルシューティング”と”PCの電源を切る”の2つのボタンしかなかい場合は、それらの作業をしていただきますと4つのボタンに復活しますので、Windows Boot Managerのエラーが直っていることを確認できます。
注意点について
回復ドライブ収録のスタートアップ修復とコマンドプロンプトの”bootrec /rebuildbcd”は、エラーの原因を把握していなくても安全にお試しいただけます。これは悪化する心配がないためです。ところがWindows Boot Managerのエラーが原因で、システムの復元などの余計な作業をしてしまいますと、直すつもりで悪化させてしまう恐れがあります。
たとえば、Windows Boot Managerはパソコン部品がWindowsにバトンタッチする仕組みになりますし、システムの復元はプログラムをバックアップ時の状態に戻すメンテナンス作業です。
このようにエラーの内容とメンテナンスの内容が違いますので、システムの復元ではWindows Boot Managerエラーを直せませんし、トラブルとは関係しないプログラムをシステムの復元でバックアップ時の状態に戻してしまいますと直すつもりで悪化させてしまうことになります。
BIOS画面しか表示されずWindowsが起動しないトラブルの調査方法

このページでは当社の実績ブログ パソコンの電源を入れてもBIOS画面にしかならないWindows起動トラブルの修復事例 をテーマに、どのように原因を調査して、トラブルを解決していったのかという過程をレポートします。
パソコンの電源を入れてもBIOS画面にしかなりません。そのため、回復ドライブから起動しましてメンテナンスを行っていきます。
回復ドライブの作り方や起動方法は Windows11、Windows10 でご確認ください。回復ドライブはUSBメモリで作成するWindowsのメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。
実際の調査方法
回復ドライブから起動した画面のボタンが”トラブルシューティング”と”PCの電源を切る”の2つしかありませんでした。Windows Boot Managerのエラーを確認しました。

その他にエラーが起きていないかをコマンドプロンプトで確認します。まずは「dir c:¥ /a
」でCドライブを確認してみます。
Windows起動トラブルが起きている場合は、エラーの宝石箱と言いましょうか、あれこれ異常があるのですが、パッと見て正常な状態です。

次にWindowsのレジストリのタイムスタンプを確認しました。コマンドは「dir c:\windows\sysytem32\config」です。こちらも不整合がなく正常な状態でした。

パソコンの調子が悪く、電源入れっぱなしが多かった(シャットダウンしなかった)というお話を伺っておりましたので、念のため、Windows Updateの記録を確認しました。Windows Updateの履歴は、このコマンド「dism /image:c:¥ /get-packages
」で確認できます。こちらも異常はなく、正常な状態でした。

回復ドライブから起動時の画面でWindows Boot Managerのエラーを確認しました。コマンドプロンプトでそれ以外にエラーがないことも確認しました。そして最後に、システムの復元に異常な履歴がないかを確認しました。こちらも異常な復元ポイントがなく、正常な状態でした。

Windows Boot Managerのエラーだけでしたので、コマンドプロンプト画面で”bootrec /rebuildbcd”を行いました。再起動しまして、無事にWindowsが起動するようになりました。