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ノートパソコンのヒンジが壊れて、液晶パネルが浮いてしまうときの応急処置と対処法

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この記事の概要について

ノートパソコンの液晶パネルを開閉しようとしますと、”バキバキ”と鳴り、ノートパソコン本体との接続部分にあるヒンジが浮いてしまう故障があります。

初期の段階では、その浮いている箇所を手で押さえながら開閉しますと、浮き上がるような違和感があるものの、バキバキ音もなく無事に開閉できたりします。

しかしながら、このヒンジが壊れたままパネルの開閉を繰り返しますと、どんどん悪化してしまいます。

末期症状としましては、ヒンジがボディから飛び出してしまったり、液晶パネルを割ってしまうようなトラブルにつながります。

そして応急処置としましては、初期でも末期でも液晶パネルを開いたまま使うという方法になります。ただ液晶パネルを開いたまま使うとなりますと、持ち運びをしない前提になります。

もし持ち運びをするなどの理由で、初期でも末期でも、液晶パネルを開閉できるように直すとしましたら、プラスチックの補修が対処法になります。

それでは、以下の構成でノートパソコンのヒンジが壊れて、液晶パネルが浮いてしまうときの応急処置と対処法をレポートします。

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この記事は「パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス」を目指しています。

秋葉原で対面のパソコン修理(2023年6月で15周年を迎えることができました)をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

ヒンジ故障とはどのような症状?

ノートパソコン本体と液晶パネルとヒンジの画像
液晶パネルのボディとノートパソコン本体のボディの間にある、開閉するための部品がヒンジです。

ヒンジは、液晶パネルのボディとノートパソコン本体のボディの間にある、開閉するための部品です。

ちなみに、同じように開閉して使う冷蔵庫なども、本体と扉の間にある、開閉するための部品のことをヒンジと呼んでいます。

そしてノートパソコンの話に戻りますが、このヒンジは金属製であり、液晶パネルとノートパソコン本体ともにボディはプラスチック製です。

ヒンジとボディの接点にある土台となるプラスチックが割れてしまい、ヒンジを固定できなくなるのがこの故障の特徴です。

つまり、ヒンジ故障とは、金属で強度の高いヒンジが壊れるのではなく、強度の低いプラスチック側が支えられずに壊れてしまうという故障です。液晶パネル側のプラスチックが割れてしまうケースもありますし、ノートパソコン本体側のプラスチックが割れてしまうケースもあります。

ノートパソコン本体とヒンジの接続部分の画像
金属製のヒンジをプラスチックのボディで支えているため、プラスチックのボディが割れてしまうこともあります。

液晶パネル側でもノートパソコン本体側でも、割れてしまった初期の段階ですと、土台となるプラスチックが残っているため、浮いている箇所を手で押さえていれば開閉できます。割れているだけですから、手で押さえることによって代わりに固定できます。

そのような感じでヒンジが壊れたままでも大丈夫そうな印象を受けますが、液晶パネルの開閉を繰り返しますと、すぐに悪化してしまいます。

末期症状としましては、ヒンジがボディから飛び出してしまったり、力の方向が液晶パネルにかかり割れてしまうこともあります。

ノートパソコン本体のボディが大きく開いてしまうような場合は除きまして(あくまでも、浮いている箇所を手で押さえていればボディは開かない状況でしたら)、マザーボードなど回路への影響はありません。

*液晶パネルの開閉に支障がでるだけでして、開閉させなければパソコンとして使えます。

プラスチックが割れる原因について

落下させてしまった……のような衝撃で壊れたような話を聞くことはなく、このモデルのノートパソコンは割れていることがあるという、傾向障害は多いように感じます。

ちなみに、ヒンジとボディの接点が広ければ負荷が分散されるじゃないですか。イメージとしまして、接点が狭いと壊れやすいように感じてしまいますが、大きさみたいな単純な話ではなかったりします。プラスチックの材質ですとか要因はかなり複雑かと思います。

そのような一般的な水準よりも弱く感じるモデルもありますが、基本的に、動かすものは疲労が溜まれば壊れてしまうのが道理です。

つまり、寿命でして、普通に使っていてノートパソコンのヒンジ故障が起きてしまったなら、仕方がないと言いましょうか、予防することはできません。

ノートパソコンのヒンジ故障は、起きるときは起きてしまう、予防のできない故障のひとつでして、そういうことも織り込んで機種を選定していただいたり、お使いいただくしかないかと思います。

補足:土台となるプラスチックとは?

プラスチックに支えられたネジ受けの画像
このページでは、金属の凹を支えるプラスチックのことを土台となるプラスチックと表現しています。

ノートパソコンのボディは基本的にプラスチック製なのですが、部品を固定するために金属製のネジがあちこちで使われています。

そのネジ受けも金属製でして、外観からはわかりませんが、プラスチックのボディに金属のネジ受けが埋め込まれています。

そしてネジ受けの高さ分、支えるためのプラスチックが盛られています。その支えるためのプラスチック部分をこのページでは土台と表現しています。

*その支えるためのプラスチックが割れてしまい、ヒンジが固定できなくなるのがヒンジ故障です。

ヒンジ故障の応急処置

液晶パネルを消しゴムで支えている画像
液晶パネルをヒンジではない物で支えてあげれば事が足ります。

応急処置としましては、液晶パネルを開いたまま、使うという方法になります。

割れてしまったプラスチックは補修しない限り、劣化するだけです。まずは液晶パネルを開閉しないことが大切です。

ちなみに、ヒンジは、液晶パネルのボディとノートパソコン本体のボディの間にある、開閉するための部品です。

もし開閉しなくても問題ない場合は、液晶パネルをヒンジではない物で支えてあげれば事が足ります。たとえば、机と液晶パネルの間に消しゴムをはさむなど。

ヒンジを支えるプラスチックが割れるだけの症状でして、プラスチックが割れたままでも液晶パネルが支えられるのでしたら、特に問題はありません

ヒンジ故障の対処法

持ち運びをされるなど、液晶パネルが開閉できるようにちゃんと直したい場合は、プラスチックの補修が対処法になります。

たとえば、住宅でもあちこちにプラスチック製品が使われています。鉄製の重たいものをぶつけてしまったなどで、プラスチックの一部分だけが欠けてしまった場合に交換するとなると高額になってしまうことも。欠けた部分を補修して済めば材料代だけです。

ホームセンターにはプラスチックの補修材が販売されていたりします。自分で補修を試してみて(5,000円未満で)、直せなければ新しいパソコンを購入しよう、というのもアリかと思います。

ちなみに作業としましては、はんだ付けのような回路の要素はなく、ボディのネジを外してプラスチックを補修するというプラモデルのようなイメージになります。

接着剤で固定できますか?

隙間から接着剤を流して固定できますか?というご質問も一定数あります。たしかに、接着剤を使って固定できそうな感じもしますよね。

ただヒンジの形でしたり、固定の仕方はいろいろありまして、一概ではなく、割れ方はいろいろです。

そのため、隙間から接着剤を流したら固定されるようになった(手で押さえなくても浮かなくなった)という事例もあるかもしれませんし、固定すらできなかったということもあるかもしれません。あくまでも、形状ですとか、割れ方によって、答えが変わります。

こちらも接着剤とかで簡単に直るなら、ということでしたら、新しいパソコンを購入する前にお試しください。