そもそもMicrosoftアカウントとは?
Microsoftアカウントは、Windows開発元のMicrosoft社が提供するクラウドのサービスを利用するためのアカウントです。
Microsoft社のクラウドサービスには、たとえば、onedriveというデータをバックアップできるストレージがあります。利用するときにMicrosoftアカウントを使ってサインインします。
そんなMicrosoftアカウントをWindowsに設定することで、Microsoft社のクラウドサービスをシームレスに利用できるようになります。
ちなみに、Windows11は初期セットアップの際に、Microsoftアカウントを設定するように求められます。その重要性の説明はなく、ただ漠然と入力を求めてきます。そのため、面倒なので適当に設定したという話を多くお伺いします。
ここで問題もありまして、Microsoft社のサービスを利用していない場合でも、Microsoftアカウントでofficeのライセンス管理などを行っていたりします。つまり、自分の気付かないところでMicrosoftアカウントを使っているケースもありまして、適当にしてしまいますと足元をすくわれてしまうこともあります。
特にWindowsエラーのメンテナンスでは、Microsoftアカウントを忘れておりますとアウトという場面もあります。
たとえば、Windowsを初期化しますと、Microsoftアカウントからofficeをダウンロードして再インストールする必要があります。Microsoftアカウントがわからなくなってしまいますと、officeを買い直す必要がありまして高額な出費になってしまいます。
また、最近のパソコンはBitLockerという暗号化が搭載されているモデルが多く、メンテナンスに必要な回復キーがMicrosoftアカウントに保管されております。パソコン修理の現場では、回復キーが不明でデータを残す修理ができないケースもあります。
Microsoft社のサービスを利用していない場合でも、Microsoftアカウントが必要になる場面もありまして、しっかりと管理していただければと思います。
メールアドレスは長期で使う予定のものを!
Microsoftアカウントは、既にお使いのメールアドレスを登録します。
ここで問題点もありまして、引っ越し前のインターネットプロバイダーで契約していたメールアドレスをMicrosoftアカウントに使っていて、失効してしまったというケースもあります。
ポイントとしましては、メールアドレスは長期で使う予定のものを選定して使ってください。
*上級者向けみたいな話になってしまいますが、事前に携帯電話番号を登録されているなど、条件がそろっている場合は、失効していても後から変更できたりします。Microsoft社のクラウドサービスを利用される場合は、必要事項をしっかりと登録しておきたいところです。
パスワードは強度が強いものを!
Microsoftアカウントは、あくまでもMicrosoft社が提供するクラウドサービスを利用するためのアカウントです。インターネット上で強度の低いパスワードを使ってしまいますと、ハッキング被害につながる恐れもあります。
たとえば、推測されてしまいそうな強度の低いパスワードを使っていまして、Microsoftアカウントがロック状態のお客様もいらっしゃいました。ロックは申請することで解除できたものの、officeがなくなっておりました。
Windows11の初期セットアップを行いますと、Microsoftアカウントでの設定を求めてきます。あくまでも、クラウドで使っているMicrosoftアカウントをパソコンに設定するものでして、パスワードは英数ランダムな文字列で、できる限り長いものを設定してください。
ちなみに、複雑なパスワードを設定しますと、Windowsを起動するたびに入力するのが面倒……と思われるかもしれません。
しかしながら、パスワードを設定しますと、次にPIN(暗証番号)の設定を求めてきます。このPINはお使いのパソコンでしか使いませんので、簡単なものでも問題ありません。さらにWindows起動時のサインイン方法をPINにできますので、パスワードにつきましては必ず強度が強いものにしてください。
念のため、officeについて
ExcelやWordなどのofficeですが、初回利用時にセットアップの画面が表示され、officeカードに記載されたプロダクトキーの入力を求められます。このセットアップ時に、Microsoftアカウントへライセンス情報が登録されます。
ちなみに、Windows7まではパソコンと一緒に再インストール用のDVDが同梱されていました。Windows10からMicrosoftアカウントを使う仕組みになりました。
たとえば、Windowsを初期化しますと、Microsoftアカウントからofficeをダウンロードして再インストールする必要があります(Windows7まではDVDから再インストールしておりました)。officeのエラーなどが理由でofficeの再インストールが必要な場合も同じく、Microsoftアカウントからofficeをダウンロードします。
まとめ:Windows11初期設定時にメモを残したいこと
Windowsエラーのメンテナンスでは、Microsoftアカウントを忘れておりますとアウトという場面もあります。セットアップ情報はメモに残していただければと思います。
具体的には、Microsoftアカウントで登録したメールアドレスとパスワード、officeプロダクトキーの登録の有無、officeのライセンス認証で使ったMicrosoftアカウント(メールアドレスとパスワード)のメモになります。
ちなみに、officeプロダクトキーの登録の有無ですが、最近のパソコンの中にはセットアップ(プロダクトキー登録)の儀式がなく、そのまま使えるモデルもあります。*セットアップの儀式のないモデルはMicrosoftアカウントに保存されません。
それとWindows11で設定したMicrosoftアカウントとは違うMicrosoftアカウントをofficeに使うこともできます。たとえば、Windows11はインターネットプロバイダーのメールアドレスで、officeはgmailなど。
そのような複雑な運用方法になっている場合もありまして、officeのライセンス認証で使ったMicrosoftアカウントもメモに残していただければと思います。
Microsoftアカウントを使い回しても良いですか?
パソコンを3台持っているのですが、1つのMicrosoftアカウントをそれぞれのパソコンで使っても良いですか?というご質問もあります。
Microsoftアカウントのほうで、3つのパソコンを認識して整理しております。利用者側のほうで使い分ける必要はありません。
ただハッキング被害なども見ておりますと、複数のメールアドレスをお持ちでしたら、念のため、使い分けされるのもありかと思います。