NAS(LinkStation、TeraStation、LAN DISK)を認識しない、アクセスできない時は?

初動処理で結果が大きく変わります!

LinkStation、TeraStation、LAN DISK といった NAS を認識しない。管理ソフトからアクセスできない。「ファームウェアのアップを実行せよ」と表示が出たので、とりあえず実行してみるか・・・ しかし、そのとりあえずが致命傷を与えてしまうことも。

ハードディスク故障がトラブルの原因である場合は、書込みなどの負荷を与えたり、また通電時間が長ければ長いほどデータを壊してしまうといった被害拡大につながってしまいます。ここは要注意です。原因がわかるまでは、とにかく負荷をかけないこと、通電時間を最小限に抑えることが重要です。管理ソフトの情報はアバウトなため、とりあえずの作業は厳禁です。

そこで初動処理でもっとも大切なことはハードウェア故障の有無を把握することです。具体的には、NAS のランプを確認し、次にハードディスク検査を行います。 NAS のハードウェアに故障がないことを確認したら、メッセージにしたがってファームをアップしたりメーカー指定の対処法を試してみます。

それでは以下の構成で NAS を認識しない、アクセスできない場合の対処法についてレポートします。

  1. NAS を認識しない、アクセスできない時の初動処理と解決策
  2. NAS のハードディスク検査方法
  3. 万が一、NAS トラブルから復旧できない時は

NAS を認識しない、アクセスできない時の初動処理と解決策

見た目はとても小さいのですが、NAS は立派なサーバマシンです。NAS の構成は、本体( CPU、メモリ、通信、USB、ファンなどの部品)と、ハードディスク、 OS とアプリケーションです。つまりサーバやパソコンと同じです。大きな違いと言えば、NAS はメーカー独自の部品を使っているくらいです。そしてトラブルを切り分ける考え方は NAS もサーバもパソコンも同じです。そこでもし NAS を認識しない、アクセスできない場合は、本体、ハードディスク、OS のどこにトラブルがあるのかを切り分けて対処します。

本体の故障
NAS の本体には、1 枚基板で CPU、メモリ、通信、USB といった部品が搭載されています。そして内部の温度を一定に保つファンや、TeraStation では電源ボックスがあります。そこでコンピュータ全般のトラブルで考えた場合、もし仮にメモリの故障でピーピー鳴り起動できない場合は、メモリ交換で復活します。このようにハード面の故障は単純で、壊れたものを正常なものに交換修理すれば復活します。

対処法としては、壊れた部品の交換修理です。たとえばファンの故障で起動しないのであれば、ファンを交換するだけで無事復活します。ところが、どの部品も汎用部品ではないため、秋葉原で修理パーツを入手することはできません。もし「コントローラ異常」、「基板故障」、「ファンエラー」、その他筐体のトラブルの場合はハードディスクを取り出し、違う筐体に接続してください。個別の部品を交換することができないため、筐体全体を交換してみます。この方法は NAS のデータ復旧を大実験!仕組みを大公開 で詳しい手順をレポートしています。

ハードディスク故障(末期症状)
ある日突然、故障するケースもあれば、どんどん弱り、最後に故障するという末期症状もあります。そしてまだかろうじて動作し、近いうちに動作不能(故障)になるようなケースでは、エラーコードでハードディスク故障を検出できない場合もあります。ちなみに動作不能になるような故障であれば、エラーコードで検出されます。このように検出されない隠れ不良状態もあり、うかつな作業をしてしまうと悪化させてしまう恐れもあります。

復旧を試すときはハードディスクの検査が重要です。検査方法については以下でレポートします。なお、万が一、ハードディスクに故障がある場合は「データを引っこ抜く」しかありません。ハードディスク内にデータがあるため、上記「本体の故障」のような交換修理はできません。お困りの際は実績豊富な当社へお任せください。

OSのトラブル
NAS には Linux をカスタマイズした OS が搭載されています。ちなみに LANDISK には Windows モデルもあります。この OS にトラブルがあれば起動に失敗します。ところが RAID 情報のトラブルも含めて、このトラブルであれば、NAS Navigator などの管理ソフトからエラー情報を取得できます。まったく認識しない状態になるのは珍しいと言えるでしょう。そして NAS を認識しない、アクセスできない場合は、確率的に「本体の故障」、「ハードディスク故障(末期症状)」であり、どれも正常なら、残るは OS のトラブルを疑ってください。

対処法は、ファームウェアのアップデートなど、メーカー指定のトラブル解決策を行います。

NAS を認識しない、アクセスできない時の初動処理の手順を整理しますと、まずパソコンにインストールした NAS の管理ソフトからエラー情報を取得できるか確認します。また NAS トラブル発生時は本体のランプが点滅しますので、こちらのエラーコードも確認してください。悪化防止のため、ランプを確認したら NAS の電源を落としてください。

NAS の電源を落としたら、ハードディスクの検査を行います。万が一、ハードディスク故障(末期症状)があると悪化させてしまう恐れがあります。悪化するとデータを壊してしまうこともあり、事前に検査を行うことがとても大切です。

ハードディスクに故障がなければ、管理ソフトや本体のランプで収集したエラー情報を参考に、たとえばファームウェアのアップデートなど、メーカー指定のトラブル解決策を行っていきます。

NAS のハードディスク検査方法

ハードディスクには「S.M.A.R.T.」という故障の予測を目的とした機能がもともと備わっていて、何かしらの劣化があると記録される仕組みになっています。こちら使用中に記録されていきますので、長時間負荷をかけるような検査をしなくても代用できます(トラブルの記録と考えても良いでしょう)。

その「S.M.A.R.T.」情報を見ることができるフリーソフトがたくさんありますが、ここでは日本語で表示できる「CrystalDiskInfo」というフリーソフトを使っています。

NAS 本体からハードディスクを取り出して、USB変換ケーブルなどでパソコンに接続してください。「CrystalDiskInfo」はパソコンにインストールして使います。注意点としまして、NAS で使っているハードディスクをパソコンへ接続したときに、フォーマットエラーが表示されます。フォーマットしたりパーテーションの操作などをするとデータ復旧できなくなってしまいます。フォーマットは必ずキャンセルしてください。

パソコンには事前に「CrystalDiskInfo」のインストールを済ませておいてください。 NAS 本体から取り出したハードディスクを USB変換ケーブルでパソコンに接続し、以下に続きます。

NAS のハードディスク検査方法

CrystalDiskInfo を起動します。左のドライブはお使いのパソコンの内臓ドライブ(Cドライブ)です。右のドライブをクリックします。

赤線の「代替処理済のセクタ数」、「代替処理保留中のセクタ数」、「回復不可能セクタ数」の列「生の値」を見ます。この3つの中で「1」以上発生していて、トラブルが起きた場合はハードディスク故障です。

この検査でハードディスクに故障がない場合は、たとえばファームウェアのアップデートなど、管理ソフトが表示する修復方法を試してみてください。