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NAS(LinkStation、TeraStation、LAN DISK)を認識しない、アクセスできない時の対処法

NAS メンテナンス

NAS(LinkStation、TeraStation、LAN DISK)を認識しない、アクセスできない時は?

LinkStation、TeraStation、LAN DISK といった NAS を認識しない。管理ソフトからアクセスできない。「ファームウェアのアップを実行せよ」と表示が出たので、とりあえず実行してみるか・・・ しかし、そのとりあえずが致命傷を与えてしまうことも。

ハードディスク故障がトラブルの原因である場合は、書込みなどの負荷を与えたり、また通電時間が長ければ長いほどデータを壊してしまうといった被害拡大につながってしまいます。ここは要注意です。原因がわかるまでは、とにかく負荷をかけないこと、通電時間を最小限に抑えることが重要です。管理ソフトの情報はアバウトなため、とりあえずの作業は厳禁です。

そこで初動処理でもっとも大切なことはハードウェア故障の有無を把握することです。具体的には、NAS のランプを確認し、次にハードディスク検査を行います。 NAS のハードウェアに故障がないことを確認したら、メッセージにしたがってファームをアップしたりメーカー指定の対処法を試してみます。

それでは以下の構成で NAS を認識しない、アクセスできない場合の対処法についてレポートします。

  1. NAS を認識しない、アクセスできない時の初動処理と解決策
  2. NAS のハードディスク検査方法
  3. 万が一、NAS トラブルから復旧できない時は
作者の齋藤実の顔写真

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IT トラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

こんにちは、パソコンが苦手な人でも安全で簡単にできるトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったならとても幸いです! ぜひご活用いただければと思います。

10周年の節目になりましてホームページを新デザインに移行中です。古いデザインのページもありまして大変申し訳ありません。東京、秋葉原のパソコン修理 オレンジセキュアサービス株式会社です。Ver.7.1

NAS を認識しない、アクセスできない時の初動処理と解決策

見た目はとても小さいのですが、NAS は立派なサーバマシンです。NAS の構成は、本体( CPU、メモリ、通信、USB、ファンなどの部品)と、ハードディスク、 OS とアプリケーションです。つまりサーバやパソコンと同じです。大きな違いと言えば、NAS はメーカー独自の部品を使っているくらいです。そしてトラブルを切り分ける考え方は NAS もサーバもパソコンも同じです。そこでもし NAS を認識しない、アクセスできない場合は、本体、ハードディスク、OS のどこにトラブルがあるのかを切り分けて対処します。

本体の故障
NAS の本体には、1 枚基板で CPU、メモリ、通信、USB といった部品が搭載されています。そして内部の温度を一定に保つファンや、TeraStation では電源ボックスがあります。そこでコンピュータ全般のトラブルで考えた場合、もし仮にメモリの故障でピーピー鳴り起動できない場合は、メモリ交換で復活します。このようにハード面の故障は単純で、壊れたものを正常なものに交換修理すれば復活します。

対処法としては、壊れた部品の交換修理です。たとえばファンの故障で起動しないのであれば、ファンを交換するだけで無事復活します。ところが、どの部品も汎用部品ではないため、秋葉原で修理パーツを入手することはできません。もし「コントローラ異常」、「基板故障」、「ファンエラー」、その他筐体のトラブルの場合はハードディスクを取り出し、違う筐体に接続してください。個別の部品を交換することができないため、筐体全体を交換してみます。この方法は NAS のデータ復旧を大実験!仕組みを大公開 で詳しい手順をレポートしています。

NAS 本体の画像

ハードディスク故障(末期症状)
ある日突然、故障するケースもあれば、どんどん弱り、最後に故障するという末期症状もあります。そしてまだかろうじて動作し、近いうちに動作不能(故障)になるようなケースでは、エラーコードでハードディスク故障を検出できない場合もあります。ちなみに動作不能になるような故障であれば、エラーコードで検出されます。このように検出されない隠れ不良状態もあり、うかつな作業をしてしまうと悪化させてしまう恐れもあります。

復旧を試すときはハードディスクの検査が重要です。検査方法については以下でレポートします。なお、万が一、ハードディスクに故障がある場合は「データを引っこ抜く」しかありません。ハードディスク内にデータがあるため、上記「本体の故障」のような交換修理はできません。お困りの際は実績豊富な当社へお任せください。

NAS 本体の画像

OSのトラブル
NAS には Linux をカスタマイズした OS が搭載されています。ちなみに LANDISK には Windows モデルもあります。この OS にトラブルがあれば起動に失敗します。ところが RAID 情報のトラブルも含めて、このトラブルであれば、NAS Navigator などの管理ソフトからエラー情報を取得できます。まったく認識しない状態になるのは珍しいと言えるでしょう。そして NAS を認識しない、アクセスできない場合は、確率的に「本体の故障」、「ハードディスク故障(末期症状)」であり、どれも正常なら、残るは OS のトラブルを疑ってください。

対処法は、ファームウェアのアップデートなど、メーカー指定のトラブル解決策を行います。

パーテーション
解決方法のイメージ画像

NAS を認識しない、アクセスできない時の初動処理の手順を整理しますと、まずパソコンにインストールした NAS の管理ソフトからエラー情報を取得できるか確認します。また NAS トラブル発生時は本体のランプが点滅しますので、こちらのエラーコードも確認してください。悪化防止のため、ランプを確認したら NAS の電源を落としてください。

NAS の電源を落としたら、ハードディスクの検査を行います。万が一、ハードディスク故障(末期症状)があると悪化させてしまう恐れがあります。悪化するとデータを壊してしまうこともあり、事前に検査を行うことがとても大切です。

ハードディスクに故障がなければ、管理ソフトや本体のランプで収集したエラー情報を参考に、たとえばファームウェアのアップデートなど、メーカー指定のトラブル解決策を行っていきます。

NAS のハードディスク検査方法

ハードディスクには「S.M.A.R.T.」という故障の予測を目的とした機能がもともと備わっていて、何かしらの劣化があると記録される仕組みになっています。こちら使用中に記録されていきますので、長時間負荷をかけるような検査をしなくても代用できます(トラブルの記録と考えても良いでしょう)。

その「S.M.A.R.T.」情報を見ることができるフリーソフトがたくさんありますが、ここでは日本語で表示できる「CrystalDiskInfo」というフリーソフトを使っています。

NAS 本体からハードディスクを取り出して、USB変換ケーブルなどでパソコンに接続してください。「CrystalDiskInfo」はパソコンにインストールして使います。注意点としまして、NAS で使っているハードディスクをパソコンへ接続したときに、フォーマットエラーが表示されます。フォーマットしたりパーテーションの操作などをするとデータ復旧できなくなってしまいます。フォーマットは必ずキャンセルしてください。

パソコンには事前に「CrystalDiskInfo」のインストールを済ませておいてください。 NAS 本体から取り出したハードディスクを USB変換ケーブルでパソコンに接続し、以下に続きます。

NAS のハードディスク検査方法

CrystalDiskInfo を起動します。左のドライブはお使いのパソコンの内臓ドライブ(Cドライブ)です。右のドライブをクリックします。

「CrystalDiskInfo」画面

赤線の「代替処理済のセクタ数」、「代替処理保留中のセクタ数」、「回復不可能セクタ数」の列「生の値」を見ます。この3つの中で「1」以上発生していて、トラブルが起きた場合はハードディスク故障です。

「CrystalDiskInfo」画面

この検査でハードディスクに故障がない場合は、たとえばファームウェアのアップデートなど、管理ソフトが表示する修復方法を試してみてください。