メモリの増設でパソコンの動作が早くなりますか?
ノートパソコンも含めて、メモリへ簡単にアクセスできるパソコンが多く、メモリの増設は難易度がとても低いです。さらにパソコン部品の中でも、メモリの価格は高くなく、パソコン改造で一番ハードルが低いかと思います。パソコンのスピードが気になった時にメモリ増設を考えるのは必然なのかもしれません。
メモリを増やすわけですからマイナスに作用することはないのですが、実際のところとして、メモリを8GBから16GBに増やしたら、どこまで効果があるのでしょうか。
メモリ増設でスピードアップする?
メモリのサイズはどんどん大容量に進化してきましたが、その過程では、メモリ不足が原因で動作が遅いというケースも珍しくありませんでした。たとえば、Windows7初期の頃ですと、2GBメモリしか搭載していないなんてパソコンも家電量販店で販売されていました。
そのようなメモリ不足が原因でパワー不足を起こしているパソコンですと、メモリの増設でパワー不足を解消することで、”遅い”から”快適”に体感することができました。
ところが、メモリという部品の特性上、メモリ不足を解消しますと、それ以上の増設をしても使われないため効果がありません。たとえば、2GBのメモリを4GBに増設して、メモリ不足が解消できたとします。”遅い”から”快適”に体感することができますが、4GBから8GBに増設しても、メモリ不足が解消できていれば増やした分は使われないため、それ以上早く動作することはありません。宝の持ち腐れみたいになってしまいます。
もし冒頭で定義した用途”YouTubeの動画を見たり~”でしたら、8GBもあれば十分すぎたりします。メモリ不足が原因でスピード低下しているわけではないため、メモリを増設してもその違いを体感することは難しいのが実際のところです。
ちなみに、メモリが1枚の場合は複数に増設することによって、並列で処理されるようになるため、スピードアップします。ベンチマークテストを行いますと、数値として明確にスピードが改善されていることがわかります。ただ人間の感覚で体感できるほどの違いがでないため、メモリの増設で効果を感じるのはなかなか難しいかと思います。
パソコンのスピードアップあれこれ
パソコンの性能はマザーボードというメインの基板に左右されます。たとえば、これは極論になりますが、DDR4メモリが搭載されているパソコンをDDR5メモリにする変更することはできません。つまり、マザーボードの性能を超える改造はできません。
パソコンの改造にはそのような上限がありまして、効果を感じるような改造をするならボトルネックになっていて”足を引っ張っている部品”を改造する必要があります。
そしてパソコンのスピードでボトルネックになっている部品は、ハードディスクです。SSDという部品に換装しますと、冒頭で定義した用途”YouTubeの動画を見たり~”でもパソコンのスピードが早くなったと体感できます。SSDに慣れますと、もうハードディスクを使うことは無理!となるくらいの差が出ます。
ただ”パソコンの動作が早くなりますか?”というご相談の多くは、購入時からスピードが気になっていたわけではなく、経年劣化ではないのですが、パソコンを使っているうちに遅くなってきたと感じるようになったケースがほとんどです。
もし特定のソフトウェアを使っているときとかの条件はなく、パソコンを使っていて全般的に遅く感じるみたいなときは、Windowsを初期化してください。Windowsのエラーで遅くなるパソコンは珍しくなく、Windowsの初期化でパソコン購入時のスピードに戻ります。