オレンジセキュアサービス株式会社

なぜ「フォーマットされていません」エラーが発生するの? その注意点も

フォーマットされていません

突然「ディスクはフォーマットされていません」のエラーメッセージが…

フォーマットとは、データの記録方法です。ちなみにですが、OS の種類は Windows だけではなく、たとえば Mac OS X や Linux といった OS もあります。そして OS ごとやそのバージョンごとに対応するフォーマットが違います(データの記録方法が違います)。

もちろん OS ごとにフォーマットが違うので、Windows のパソコンから Mac OS X や Linux でフォーマットしたメディア(内臓・外付ハードディスク、USB メモリ、デジタルカメラの SD カード・ CF カードなど)を開くことはできません。この場合も「ディスクはフォーマットされていません」エラーが表示されます。

なお、メディアは保管庫のようなもので、フォーマットは保管庫内の棚や仕切りといったところです。使う側( OS 側)で棚や仕切りをカスタマイズしてデータを保管します。また OS の種類やバージョンでこのカスタマイズ方法が変わります。

そしてこの「ディスクはフォーマットされていません」とは、そのメディアのフォーマットが Windows に合っていないというエラーなのです。

ところが、ほとんどの「ディスクはフォーマットされていません」エラーは、突然発生したものです。直前まで Windows パソコンを使っており、たとえば Mac OS X でそのメディアを使ったために発生したわけではありません。それではなぜ突然発生したのでしょうか? また保存してあるデータは無事なのでしょうか? 「ディスクはフォーマットされていません」エラーの原因を中心にご説明します。

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IT トラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

こんにちは、パソコンが苦手な人でも安全で簡単にできるトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったならとても幸いです! ぜひご活用いただければと思います。

10周年の節目になりましてホームページを新デザインに移行中です。古いデザインのページもありまして大変申し訳ありません。東京、秋葉原のパソコン修理 オレンジセキュアサービス株式会社です。Ver.7.1

なぜ「フォーマットされていません」エラーが発生したの?

外付けハードディスク「ディスクはフォーマットされていません」の原因と対処法 で詳しくレポートしていますが、外付けハードディスクやデジタルカメラ( SD カードなど)、USB メモリには、データだけではなくそのメディアのフォーマット方法なども一緒に保存されています。そしてこの情報に不具合が起こると「フォーマットされていません」エラーが発生します。

ちなみに冒頭で、フォーマットを保管庫内の棚や仕切りに例えました。それらの情報はこの画像のように呪文のような感じで(以下 呪文で統一します)、メディアに直接書き込まれます。テキストなどのファイルではありません。ドライブでデータを読み書きするための根本となる仕組みにトラブルが起きています。

NTFS
NTFS フォーマットの場合は「NTFS」の呪文から始まります。

そしてこの呪文はファイルとして存在しないため、ユーザーが間違えて削除することはできません。パーテーションを削除したり、フォーマットするなどコントロールパネルからあえて操作しない限り、壊すことは不可能です。それではなぜ勝手に不具合や不整合が起きてしまうのでしょうか?

1. パソコンの誤作動

プログラムのインストールに失敗し、再起動したらすんなりインストールできたというようなケースもあります。このように再起動だけで順調になるようなパソコン側の一時的な誤作動により、この呪文を書き換えてしまうことがあります。もちろん、一時的な誤作動のため、故障パーツもなく、再現もできません。またフォーマットを行えば、そのメディアが使えるようになります(ただしデータは消えてしまいます)。

2. ディスク容量いっぱいにデータを保存している

外付けハードディスクやデジタルカメラ、USB メモリに限らず、パソコンでもトラブルの起こる要因として「ディスクの容量いっぱいまでデータを保存する」があります。目安としては、データ容量が 80% を超えるとトラブルが起きる可能性が出てきます。なお、USB 機器を取り外す際は「安全な取り外し」機能を使ってください。書き込み中にひっこ抜いてしまうと情報が中途半端になりアウトです。

3. 部品の故障など

ハードディスクやメモリの故障の影響で、この呪文を読み込めなくなれば「フォーマットされていません」エラーが発生します。なお、ハードディスクの場合は検査方法がありますので以下に続きます。また USB メモリはパソコンへ接続した際に LED がピカピカと点滅しますが、この点滅が異常に遅く数秒以上続きます。こうなると故障です。

上記はメディア側のトラブルですが、パソコン側のトラブルの場合もあります。つまり他のパソコンに接続すれば「問題なし」なんてこともあります。パソコン側の差込口や Windows がメディアを正常に認識しないというトラブルもあります。

ところがパソコン側にトラブルがある場合でもうかつな作業は禁物です。そのトラブルの起きた状態でチェックディスクなどの変更を加えて、むしろおかしくなったというケースもあります。変更を加えてしまえば、他のパソコンでもエラーになります。

つまりメディア側は正常であっても、操作するパソコン側にトラブルがあれば状態を悪化させてしまう恐れもあります。まずは他のパソコンに接続し、「フォーマットされていません」エラーが解決するか確認してください。

データの保存状態と注意点について

「フォーマットされていません」エラーは、呪文が読み込めないというデータを読み書きするための根本となる仕組みにトラブルが発生しています。ただし、設定情報が読み込めないというだけであって、保管庫内の棚や仕切りが崩れたわけではありません。データはそのまま保管されています。

ちなみにですが、保管庫の玄関が壊れて中に入れないようなイメージと言えるでしょう。玄関さえ開けられれば、保管庫内は正常に残っています。ところが、あれこれ試してしまうと、結果としてデータを壊してしまうことも。その場合は、もちろん壊れた状態でデータが救出されます。

そこで注意点としては、まず「フォーマットせずにキャンセルする」こと、ドライブレターを変更するなど無理やりな対処をしないということが重要です。「今すぐフォーマットしますか」フォーマットしては駄目です ではフォーマットするとどうやって変化するのか詳しくレポートしています。

またメディアに物理的な損傷がある場合は、フォーマットするよりも状態が悪くなってしまうことも。そこで状態を悪化させないためにも、まずはメディアに故障がないか検査します。

なお、ハードディスクには S.M.A.R.T( Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology )という自己診断機能があります。もし故障があれば記録されます。フリーソフトで簡単に情報を取得でき、いつものようにパソコンへ外付けハードディスクを接続した状態で簡単に検査できます。

検査の方法やデータの取り出し方については 外付けハードディスク「ディスクはフォーマットされていません」の原因と対処法 で詳しくレポートしています。ぜひこちらも読んでください。