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Downadup/Conficker はなぜすぐに再発するの? 駆除作業の注意点

Downadup/Conficker

作業手順に間違いがなくても… 伏兵はイレギュラー

Downadup/Conficker(ダウンアド/コンフィッカー)ウイルス駆除を自社のスタッフで行い、すぐに再発するケースもあり、当社に連絡が入った段階で、すでに1日半以上、業務を停止しているというケースも多々あります。それではなぜすぐに再発してしまうのでしょうか? それはポカミスであったり、予定外などのイレギュラーにあるのです。

大規模になればなるほど、全員で手分けして作業することになるかと思われます。というのも、情報システム部は、保有パソコン100台から200台で1人くらいの配置が一般的であり、情報システム部だけで作業したのでは、復旧に多くの日数がかかってしまうためです。基本的には、作業の実行部隊はパソコン利用者で、各部門のシステム担当者はサポート、情報システム部はヘルプデスク&サーバの処理となるのではないでしょうか。

そこでほとんどのパソコンは、正常終了し、予定通りに進むはずです。しかし、パッチのあたらないパソコンが出てきたり、ウイルススキャンで駆除も隔離もできないメッセージが表示されるといったイレギュラーなパソコンも出てきます。またウイルスチェックを行ったつもりなど、「グレー」なパソコンも出てきます。そしてこれらのイレギュラーなパソコンを正常終了にしてしまうと再発してしまうのです。

実行部隊がパソコン利用者の場合は、「作業さえすればOK」となりがちなので、とにかくよくわからないメッセージが出たり、作業を行ったかあいまいな場合は、「正常終了」とせずペンディング(LANから隔離した状態を維持)にすることが重要です。

それでは起こりやすいイレギュラーを中心に、Downadup ウイルス駆除の注意点をご説明致します。

作者の齋藤実の顔写真

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IT トラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

こんにちは、パソコンが苦手な人でも安全で簡単にできるトラブルシューティングを書きました。この記事がトラブル解決に役立ったならとても幸いです! ぜひご活用いただければと思います。

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起こりやすいイレギュラーと復旧作業の注意点

Downadup は、駆除と一緒に予防もしないと再発してしまう恐れがあります。予防しておけば感染することはないので、とにかく予防することが重要です。ところが予防のひとつのログインパスワード変更については、時間がかかりすぐに完了しません。1日では済まないというのが実際のところです。

しかしだからといって、業務を停止したままというわけにもいきません… そこで苦肉の策として、一旦社内をクリーンにした上でまずは業務を再開し、後日パスワードを変更することになります。ちなみにウイルスを根絶しておけば、すぐの再発を抑えることができます。

ここで注意したいのは、Downadup に感染しているパソコンが 1台でも残ってしまうとアウトということです。予防作業が完了していない段階であれば、また蔓延してしまいます。

そしてこのように予防作業が完了する前に業務を再開させる(パソコンを LAN に接続する)場合は、ウイルス駆除を完了させることと、自動実行を無効にすることが重要です。ここをきっちり完了させておかないとすぐに再発してしまうので、十分に注意して作業してください。

それでは起こりやすいイレギュラーについてご説明致します。

1. ウイルス駆除について

Downadup は、ウイルス駆除ツールやウイルス対策ソフトで駆除できます。しかし、駆除も隔離もできないケースがあり、スキャン後のメッセージをよくよく確認し、「OK」のメッセージが表示されない限り、ペンディング(LANから隔離した状態を維持)にすることが重要です。ちなみに手動で駆除できない場合や、駆除後に再度発見される場合は、リカバリします。

またお客様から問い合わせなどの理由で作業を中断することもあるかと思いますが、中断したり、停止した場合は、最初からやり直します。また「ウイルスチェックを行ったかな?」、「OKのメッセージが出てかな?」などあいまいな場合も、再度実行し確認します。

とにかく大切なことは、ウイルス駆除ツールやウイルス対策ソフトから「OK」の出たことを確実に確認したパソコンのみ「正常終了」にすることです。それ以外はどんな理由があっても、LAN に接続してはいけません。

2. 自動実行を無効にする

Downadup は、分身を USB 機器などに埋め込む機能も備えています。もし Downadup の潜伏している USB 機器を使ってしまうと再発してしまう恐れがあるので、自動実行機能を無効にしておきます。

基本的にUSB機器を使わないのなら、無効にする必要はありません。しかし、USB機器イコールUSBメモリのみといった勘違いで、USBハードディスクを使っていることもあります。そして万が一、USBハードディスクに Downadup が潜伏している場合は再発してしまいます。

そしてUSB機器使用の有無を問わず、自動実行機能は必ず無効にすることが重要です。なお、ウイルススキャンと同じように、「自動実行を無効にしたかな?」、「パッチを当てたかな?」などあいまいな場合は、必ずペンディング(LANから隔離した状態を維持)にし、再度実行するまで「正常終了」にしてはいけません。

ここでは Downadup ウイルス復旧作業の注意点として、起こりやすいイレギュラーを紹介しました。復旧手順については、「 Downadup(ダウンアド)ウイルスの駆除手順 」こちらのコラムを読んでください。