オレンジセキュアサービス株式会社

「自動修復を準備しています」が進まない原因と修復方法

自動修復が終わらない、かかる時間は?

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パソコンの電源を投入すると”自動修復を準備しています”メッセージが表示され” PC を診断中”、”ディスクのエラーを確認しています”など変化していますので動作はしているのですが、なかなか自動修復の完了画面まで進まず、メンテナンスが終わりません。

そのようなパソコンが動いているものの、いつまで待っても自動修復が完了画面まで進まない、自動修復が終わらないというWindows11/Windows10が起動しないトラブルの原因と解決方法がテーマになります。

ちなみに、同じ自動修復のトラブルでも以下の症状は原因が違いまして解決方法も変わります。症状が違う場合はリンク先ページで解決方法をご確認いただければと思います。

この自動修復ですが、最近のパソコンのスペックでしたら長くても30分未満で終わります。もし1時間かかっても自動修復が終わらないときは異常と判断して間違いないでしょう。

ちなみに、”自動修復を準備しています”メッセージでは自動修復のプログラムを読み込んでいるだけでして1分はかかりません。” PC を診断中”も1分かかるかどうかですし、”ディスクのエラーを確認しています”は1時間程度かかるようなメッセージが表示されますが、長くても10分くらいなのが実際のところです。”修復しようとしています”の場合も長くて10分くらいです。

データが重要な場合は注意点もあります。この症状はメンテナンス中ということを表現するアニメーションのクルクルが回り続けますし、キーボードの”NumLock”などのランプも反応するため、フリーズなどの異常はありません。作業時間が長くかかっているだけで正常にメンテナンスできているように感じますが……。

たとえば、3日かかってやっと自動修復が終わったみたいな、すごく時間がかかる場合は部品が故障している可能性大です。もしデータが重要という場合はデータを壊してしまう可能性もあり、30分を超える場合はパソコンを強制終了してメンテナンスを終わりにしたほうが間違いありません。

それでは自動修復を準備していますが進まない原因と修復方法について、以下の4部構成でレポートします。

  1. 自動修復が進まない原因について
  2. ”自動修復を準備しています”が進まないときの修復方法
  3. 回復ドライブでも進まないときのアドバイス
  4. 万が一、お困りときは…

*この記事は”パソコンが苦手な方でも安心してできるメンテナンス”を目指しています。秋葉原で対面のパソコン修理をしておりまして、お客様よりお伺いする話から、これは試していただきたいこと、これはやらないほうがよいことなどをまとめた超入門編のトラブルシューティングを書きました。

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作者の齋藤実の顔写真

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私は、パソコン修理を中心としたITサポートを秋葉原のオレンジセキュアサービス(2023年6月で15周年を迎えることができました)で行っております。この記事がトラブル解決に役立ったなら幸いです!

ITトラブルの現場をよく知る専門性を買われて、All About、Biz コンパス、ウイルスバスターチャンネルといった専門色の強い大手 WEB メディアでも活躍中。雑誌やラジオへ出演したこともあり。

自動修復が進まない原因について

”自動修復を準備しています”画面

Windows11/Windows10に起動できないトラブルが起きると、自動的に”自動修復を準備しています”が始まり、そのトラブルを直そうとします。この自動修復は、自分で自分を直す自己修復機能です。もし自動修復が完了画面まで進まない、終わらないならその要因は2つです。

  • 自動修復プログラムのエラー
  • パソコン部品のエラー

自動修復プログラムのエラー

もし自動修復のプログラムがエラーを起こしていれば、正常に動作できないため、自動修復が終わらないなどのトラブルを起こします。

ちなみに、自動修復が始まるということは、既にWindowsに何かしらのトラブルが起きており、そのトラブルを直そうとしています。そのWindowsに起きている何かしらのトラブルの影響で自動修復プログラムにもエラーが起きているというトラブルが昔からあります。

このようなメンテナンスのプログラムのエラーで正常に処理されない現象はWindows7のときから珍しくなく、当社の実績ブログ では回復ドライブや回復ディスクといったUSB(DVD)からのメンテナンスで簡単に直ったケースもご紹介しております。

パソコン部品のエラー

3日かかってやっと自動修復が終わったみたいなすごく時間がかかる場合は部品が故障している可能性もあります。特にハードディスクが弱りますと、処理スピードが極端に遅くなる現象がでます。そのため、いつになっても自動修復のメンテナンス作業が終わらないという現象を起こします。

それと自動修復にすごく時間がかかるケースとしまして、一時的なトラブルで誤作動していることもあります。パソコン部品が誤作動していればソフトウェアは正常に動作できないため、Windowsが起動に失敗したり、自動修復などのメンテナンスもなかなか終わりません。

たとえば、放電で誤作動がリセットされるような一時的なトラブルはパソコントラブルでよくある話です。それと、自分で増設(改造)している場合は、増設部品の相性問題で誤作動トラブルが起きることもあります。特にメモリーという部品はたまにケンカするみたいな一時的にトラブルを起こすこともあります。

”自動修復を準備しています”が進まないときの修復方法

この作業の概要について

”自動修復を準備しています”が進まないだけの症状では、自動修復プログラムのエラーなのか、パソコン部品のエラーなのかを判断することができません。そこで切り分け方法ですが、回復ドライブに収録されている”スタートアップ修復”を行います。ハードディスクに故障がなければすんなり終わりますので簡単に解決できます。

ちなみに、この回復ドライブですがトラブルの起きているパソコンで作成することはできません。職場内や家族の正常に動作するパソコンで作り、トラブルの起きているパソコンで使います。回復ドライブのプログラムは正常でして、回復ドライブでもメンテナンスが終わらない場合は、パソコン部品のエラーと切り分けができますし、回復ドライブですんなり終われば、自動修復プログラムのエラーと切り分けできます。

ただし、パソコン部品の一時的なトラブルで誤作動していたり、誤検出している場合も、回復ドライブでのメンテナンスが終わりません。そのため、放電を行ってパソコン部品に誤作動、誤検出がない状態にしてから回復ドライブを試しますと間違いありません。そのような作業手順も含めまして”自動修復を準備しています”が進まないときの修復方法をご紹介します。

こちらは注意点です。回復ドライブのスタートアップ修復も30分以上かかる場合は部品故障の可能性が高いです。長時間の作業や作業を繰り返すことでデータを壊してしまう恐れもあります。強制終了してパソコン部品を休ませてください。

ここでご紹介する作業にかかる時間は2時間です。ここでは回復ドライブを使います。2GB以上の空のUSBメモリをご準備ください。それではWindows11/Windows10のトラブルを直しましょう。

  1. 強制終了してください。
  2. 放電してください。
  3. 回復ドライブを作ってください。
  4. 回復ドライブから起動してください。
  5. 回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。
  6. 回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。

強制終了してください。

パソコン電源ボタンを長押しの強制終了している画像

パソコンの電源ボタンを長押しして強制終了してください。

自動修復を準備していますが30分以上かかる場合は異常です。電源ボタン長押しの強制終了してください。

放電してください。

放電している画面

パソコン内の電気をゼロにする放電を行ってください。

Windowsが起動しないトラブルでご相談いただいて、パソコンが到着したらトラブルが起きていないというケースが多い月ですと5%もあります。ちなみに、Windowsはメンテナンスしないとトラブルが直りませんし、パソコン部品の故障なら交換が必要です。当社への移動だけで症状が改善していることから、放電だけで解決するような一時的なエラーや誤作動は一定数あると言えます。

Windowsが起動しないときに放電を試したほうが良い?

一般論としまして、コンセントとバッテリー(ノートパソコン)を外すだけも放電作業になります。ただそれだけでは、頑固な汚れのようにひと筋縄ではいかないこともあったりします。

リンク先のページでは完全な放電をテーマに、パソコン修理で実際に行っているパソコン部品リセット方法を公開しています。

回復ドライブを作ってください。

回復ドライブを作っている画像

正常に起動するパソコンで回復ドライブを作ってください。

回復ドライブはUSBメモリで作成するWindows11/Windows10のメンテナンス機能です。会社やご家庭にある正常に動作する他のパソコンで作成した回復ドライブを使ってトラブルの起きたパソコンをメンテナンスできます。

回復ドライブはWindows11とWindows10で相互利用できます。たとえば、Windows10で作成した回復ドライブをトラブルが起きたWindows11で使うことができます(その逆パターンもOKです)。ただし、Windows11は32ビットがありません。32ビットのWindows10で作成した回復ドライブを64ビットのWindows11では使えません。*ビットが違うと作業できません。

回復ドライブの作り方は Windows11Windows10 でご確認ください。

回復ドライブから起動してください。

回復ドライブから起動している画像

正常なパソコンで作成した回復ドライブをトラブルの起きているパソコンに接続して起動してください。

回復ドライブからの起動方法ですが、たとえば、DELLパソコンは電源ボタンを押してからキーボードの”F12”を連打してください。キーボードの矢印キーで回復ドライブのUSBメモリを選択してから、キーボードのEnterを押してスタートです。Surfaceは音量を下げるボタンを押しながら電源ボタンを押しますと回復ドライブから起動します。

その他のメーカーパソコンはこちらのリンクからご確認ください。 NEC富士通東芝LenovoDELLHP 。もし上手くいかない場合はパソコンメーカー様に電話でご確認ください。詳しく教えてくれます。

回復ドライブでの起動が進まない場合は、パソコン部品が故障している可能性もあります。起動だけで5分以上かかる場合は異常です。回復ドライブでも進まないときのアドバイス へお進みください。

回復ドライブからの起動後に、もしBitLocker回復キーの入力を求めてくる場合は、BitLocker 回復キーを確認する方法 でBitLocker回復キーを入手してください。BitLocker回復キーの探し方がわかったものの、なかなかBitLocker回復キーが見つからないという場合は、BitLocker回復キーが見つからないときに確認したいポイントと事例 でご確認ください。

回復ドライブのスタートアップ修復を実行してください。

回復ドライブのスタートアップ修復を実行している画像

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、スタートアップ修復をクリックしてください。完了したら再起動してWindowsが起動するかどうかご確認ください。

回復ドライブからの起動後に、”Microsoft IME”、”トラブルシューティング”とクリックして進みますと詳細オプション画面になります。詳細オプション画面に”スタートアップ修復”のボタンがあります。次に”Windows11”、”シャットダウン”とクリックして完了です。再起動してWindows11の起動トラブルが改善していることをご確認ください。

詳しい作業手順は Windows11回復ドライブを使ったスタートアップ修復の方法 でご確認ください。Windows11を使ってレポートしておりますが、Windows11をWindows10に読み替えていただければ操作方法は同じです。

回復ドライブのスタートアップ修復でも30分を超える場合ですが、残る原因は部品故障になります。修理に出したり、新パソコンの購入が次の解決方法になります。

データが重要な場合は、30分を超える作業や繰り返し作業をすることでデータを壊してしまう可能性もあります。もし回復ドライブの作業でも30分を超える場合は強制終了してパソコン部品を休ませてください。

回復ドライブのコマンドプロンプトを実行してください。

回復ドライブのコマンドプロンプトを実行している画像

回復ドライブから起動したら詳細オプション画面まで進んで、コマンドプロンプトをクリックしてください。コマンドプロンプトの画面が開きましたら、”chkdsk c: /f”と入力して、キーボードのEnterキーを押してスタートしてください。

本来、コマンドプロンプトはケースバイケースで使い方が変わります。たとえば、料理の味がもの足りないときに、塩を足すのか砂糖なのか、それともおしょう油なのかはケースバイケースです。何でもかんでも、とりあえず塩を足すなんてスタンスでしたら、逆に味が壊れてしまうこともありますよね。

そのような感じで、意図もなくとりあえずコマンドを試してみようは、Windowsの起動トラブルを修復するつもりで、逆に壊してしまう恐れもあります。

ただし、”chkdsk c: /f”はエラーを直すだけのコマンドでして悪化はしません。ファイルシステムが正常でしたら、エラーが見つかりませんで終わるため、無意味な修正がありません。とりあえず試そうがOKな数少ないコマンドです。このコマンドの使い方や、その他お客様よりよくお伺いするコマンドについて Windows11/Windows10が起動しない、コマンドプロンプトの間違ったヤバイ使い方と修復方法 でレポートしております。コマンドプロンプトを試してみようかなという場合は、注意点もありますのでぜひご確認ください。

Windowsクルクルと自動修復を準備していますクルクルが終わらないトラブルを直した事例研究

こちらの記事は実際に「chkdsk c:\ /f」でWindows起動トラブルを直した事例です。ファイルシステムのエラーが原因で、Windowsが起動できないトラブルが起きていました。ファイルシステムのエラーは、クルクルが終わらないという症状限定ではありません。ブルースクリーンなどのWindows起動トラブル全般が対象になったりします。

回復ドライブでも進まないときのアドバイス

パソコンを放電した後の、回復ドライブの起動が進まない場合ですが、残る原因は部品故障になります。目安としましては、回復ドライブからの起動時のアニメーションのクルクルが5回転を超えると異常です。*長年お使いのパソコンでも4回転くらいです。

ちなみに、部品故障が原因で”進まない”という現象になる場合ですが、ハードディスク故障が圧倒的に多いです。

実は、ハードディスクを外しても、回復ドライブから起動できます。部品故障が疑われる場合は、ハードディスクを外してから、回復ドライブでの起動をお試しください。アニメーションのクルクルが5回転未満ですんなり起動できれば、ハードディスク故障と切り分けできます。

もしハードディスクを外しても状況が改善しない場合は、回復ドライブから起動できないときの原因と対処法 の記事をご確認ください。